5月は花の月。
花は鮮やかな色で美しく咲き、葉っぱはおひさまの光にきらきらと瑞々しく輝きます。フランスでも共和暦の5月はフロレアル=花月とよばれ、リラ(ライラック)などが花盛りのそれはそれは美しい頃です。そんな5月に、日本では端午の節句・母の日がありますね。連休もあり、イベント続きで楽しいけれど、心がちょっと落ち着かない感じはありませんか? そんな時、花でひと息、ホッと深呼吸。花でおはなししてみましょう。
言葉を使わなくても、花でおしゃべりできたり、相手に気持ちが伝わることをご存知ですか? 例えば、赤ちゃんからのベビーサインのように、花は私たちの気持ちを伝えてくれます。「そんなこと出来るの?」とちょっと信じられないかもしれませんけれど。「どうぞ届いて!」と強く念じたりするのではなく、心が求めるまま、感じるままに花を選び、それをそっと活けるだけ。かた苦しい決まりごとなどありません。どうぞあなたの言葉や気持ちを、そっと花びらにのせて相手に届けてみてください。
大人とお子さま2人でペアになります。お子さまが何人かいらっしゃる場合は、お1人ずつとペアになってあげてください。花とのおはなしは、2人でするのがちょうどいいように思います。まだ赤ちゃんだったり、1人での花えらびが難しかったりする場合は、ママやパパが心を込めて選んだ花を活けていく様子を見てもらうのはどうでしょう? これでも充分、気持ちを花が伝えてくれると思いますよ。
まずは好きな花をたっぷり用意します。きれいな色やよい香りの花、面白い形の花もあると楽しいかしら? それから、お気に入りの器を1つ選びます。2人で一緒に選んでもいいですね。花と器が揃ったら、器に水を注ぎ、2人がそれぞれ1輪ずつ花を選び、順に活けていくだけ。その時の自分の気持ちにしっくりと寄り添ってくれる1輪を選びます。相手のことを考えながら、心を込めてゆっくりと花えらび。
花でおはなししている時は、もちろんおしゃべりはしませんよ。それから、「目は口ほどにものを言う」と言いますから、なるべくアイコンタクトもナシでいきましょう! 順々に活けるタイミングも、1本2本と活けていくうちに、自然と2人の間で決まってくると思います。朗らかで楽しいおはなしならパパっとテンポよくなるかもしれませんし、ゆっくりのんびりのおはなしなら、丁寧に1本1本を活けていくかもしれませんね。おはなしのおしまいは用意した花を使いきった時でも構いませんし、2人が「これでOK」と思ったところでどうぞ。
花でおはなしした後は、心がすうっと楽になっていたり、じんわり温かくなっていたり。「やってよかったなぁ」と感じる方が多いのではないでしょうか?これはセラピーのようなものなのかもしれませんが、私はあえてそういう風に捉えなくても構わないように思います。2人で1つの器へ花を活けることを、ただただ楽しい・心地よいと感じる自分を楽しむ。普段は言葉にしない思いを、気持ちを花にゆだねてみる。ただそれだけのこと。どうぞ難しく考えないで、花でおはなしすることを心から楽しんでみてくださいね。
(写真はどちらも花育キッズクラスの生徒さんのアレンジ。母の日に、親子で「花とおはなし」して下さった時のものです)
☆保育園・幼稚園・小学校、または地域の集いなどで、楽しく「花育」してみませんか?☆
5名さまからお申し込み頂けます。ホームページの「mail」よりお問い合わせくださいませ。
ロワゾ・ブルHP : Hane-yasume
西野 佳衣子 【花育士・フラワースタイリスト】
記事テーマ
花に触れている時の子どもたちは、瞳がキラキラしていて穏やかで優しい笑顔…本当に愛らしいのです。花はみんなを笑顔にしてくれます。家族の笑顔があふれるよう、気軽に花を暮らしの中に取り入れてみましょう!親子で過ごすひとときを花と一緒に楽しむため、日本&海外の花行事、季節の旬な花選び、小さなお子さまとも楽しめるアレンジなどもお伝えしていきます。