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日に日に輝きを増してくる陽射しとともに、頬をなでていく春風が心地よく感じられます。うーんと大きく息を吸い込むと、辺りから優しくて甘い春の花たちの香りが漂ってきますね。１年の中でもとりわけこの季節には、庭やベランダで過ごす時間が自然と増えてくるような気がします。

そんな春、我が家のプランターがいつになく賑やかになりました！ ２０１５年１０月に書いたコラム『楽しい♪親子で作る秋の寄せ植え』を覚え下さっているでしょうか？ プランターの中をおうちに見立てて、球根を一階に、花の苗を二階に植えました。ガーデニング用語では、こういう寄せ植えの仕方を「ダブルデッカー仕立て」と呼ぶそうです。これは二階建ての乗り物から付けられた呼び名で、なんと、土に深さがあれば３階建てにもできるのだとか。球根がまだ土の中でお休みしている秋から冬の間は２階に植えた苗の花を楽しみ、春には１階に植えた球根から花が咲くという仕組み。２階に植えた花の苗が美しく咲き揃っているので、冬の間もさみしくありませんね。ダブルデッカー仕立ては、長い期間、花を楽しむことが出来るお得感いっぱいの寄せ植えなのです。

陽射しがやわらかくなり始めた頃、そのプランターの２階に植えたビオラの中に心待ちにしていた芽が顔を出しました。新芽を見つけた時の嬉しかったこと！ 「花の苗と球根がぶつかって、芽が出なかったらどうしよう？」という心配をよそに、あちらからもこちらからもあっという間に芽が出てきて、みるみる伸びていきました。朝、夕、そしてベランダに出る度、ついつい様子が気になってプランターを覗きこむ日々。そしてしばらくすると全ての花が咲き揃いました！ 華やかなプランターを前に、こんなにも上手く、タイミングぴったりに咲き揃う花たちに感動してしまいました。今まで寄せ植えをしてきた中で、これほど嬉しかったのは初めてかもしれません。

大人の私でもこんなに感動したダブルデッカー仕立てですから、小さなお子さまにもきっと喜んで頂ける！と確信しています。冬の間は苗の花を愛でながら、ママやパパ、兄弟姉妹たちと春に花咲く様子をお話しするのも楽しそう！ 球根から芽が出るのを楽しみに待つこと、新芽を見つけた時の喜び、芽がぐんぐん伸びてふくらんでいく様子を見守ること、そして花が咲いた時の感動etc.etc…盛りだくさんのお楽しみが詰まった寄せ植えと同じくらい、さまざまな「気持ち」をお子さまに感じて頂けることでしょう。もちろん、球根の中には芽が出てもうまく育たないものもあります。そういうことも受け止めて、親子でお話ししてみませんか？　上手く育たなかった芽や葉などを小さな瓶に挿して飾ったり、押し葉にして愛でてあげてください。植えて、お世話をして、生長を見守って、そしてまるごと受け止める。。寄せ植えの奥深さに今更ながら気づかされています。苗や球根を植えるのは、プランターという限られたスペースではあるけれど、私たちがそこから学ぶことは無限にあるように感じずにはいられません。