朝から元気な蝉の声が聞こえるようになりました。どこまでも真っ青な青い空と綿菓子みたいにもくもくした白い雲。夏がやってきたのだなぁと感じます。
このコラムでは、「部屋の中に一輪でも花のある暮らしは心地よいものですよ」「気持ちが穏やかになって幸せな気分になりますよ」と、私の考える「おうち花育」について書かせて頂いています。花は一番美しく咲いている頃も綺麗だけれど、少し見頃が過ぎてからも趣きがあってステキなこと、ほんのひと手間お世話をしてあげると、花はぐんと長持ちすることを綴ってきましたから、夏でもぜひおうちに花を飾って頂きたい気持ちいっぱいなのですが…こう暑さが厳しいとそうも言えません。暑い夏は生花にとって苦手な季節。夏は家族でおでかけすることも多いでしょうから、花のお世話もままなりませんよね。私も家を空ける予定のある暑い時期は、出来るだけ手入れの簡単で丈夫なグリーン(葉もの)だけを飾ることが多いです。なぜなら、家に戻ってぐったりした花たちを見るのはかわいそうですから。
そこで、こんなアイディアはいかがですか?絵に描いた花や工作して作った花を部屋に飾りませんか?
紫陽花のアナベル。茎は針金に緑色のテープを巻き付けたもの、みどり色の薄紙は不織布、その中身はティッシュペーパー、花びら1枚1枚はコピー用紙で出来ています。作り方はご覧の通り、てるてる坊主を作るようにティッシュペーパーを丸め、薄紙でくるみ、手でちぎった紙を貼っていくだけ。紙をちぎったり、丸めたり…お子さまの好きな工作の要素がいっぱい! とても面白い作業ですから、ぜひお子さまと一緒に楽しみながら作ってみてください。もちろんお子さまだけ、ママ・パパだけで作ってもよいと思います。このアナベルは、紙の色を変えると青やむらさきの紫陽花にもなります。茎はそのままで、カーネーション、ガーベラ、ひまわりやバラなど好きな花を作るのもいいですね。
他にもアイディアはいろいろ。例えば「画用紙に花の絵を描く」「毛糸や色紙、ビーズなどを使って貼り絵をする」「折り紙で花を折って飾る」などなど。少し凝ったものを作るなら、花の写真を紙に貼り、周りに絵を描いてコラージュ風にするのはいかがでしょう? お好きな作り方で花を作ってみてくださいね。
大切なのはうまく作ることではありません。花を作る過程や工作すること自体を楽しんでほしいのです。花を作りながら親子でおしゃべりして過ごすひととき、お出かけした場所で見た花、ママやお子さまの好きな花、とてもよい香りの花、面白い形の花のことを思い出すひととき…そういう穏やかなひとときの中にゆったりした気持ちで身をゆだねることが大事だと思うのです。家族みんなの心の中にある花との思い出、花への思い、それが【心の花】。心の花はひとりひとりの心にそっと咲いているのも素敵なのですが、絵に描いたり、工作にしたりして目に見えるものになることで、心の花を親子で共に喜び、愛でて楽しむ時を分かち合えるのです。
「おうち花育」は頑張らずにいきましょうね!
「暑い時でも頑張って花を飾ろう!」と無理してしまうと、いつか花を飾ることが負担になってしまうのではないかしら?と思うのです。花のお世話をする=ほんのひと手間かけることは、心から楽しんでやるのが似合います。どうぞ暑い季節は【心の花】を作って飾って楽しんで、笑顔でお過ごしくださいね。
☆ロワゾ・ブル 夏休み 花育キッズクラスのご案内☆
新学期が始まる前に、花に触れてパワーチャージしませんか?
2014年8月28日(木)AM10:00~ 兵庫県神戸市中央区 生田文化会館にて。
詳しくはHP内でお知らせしております。ぜひご参加くださいね。
HPアドレス → http://haneyasume.petit.cc/
西野 佳衣子 【花育士・フラワースタイリスト】
記事テーマ
花に触れている時の子どもたちは、瞳がキラキラしていて穏やかで優しい笑顔…本当に愛らしいのです。花はみんなを笑顔にしてくれます。家族の笑顔があふれるよう、気軽に花を暮らしの中に取り入れてみましょう!親子で過ごすひとときを花と一緒に楽しむため、日本&海外の花行事、季節の旬な花選び、小さなお子さまとも楽しめるアレンジなどもお伝えしていきます。