今回は、初めて花を活ける小さなお子さまと、見守るママ・パパ・ご家族のみなさんに「はじめの一歩」を気持ちよく踏みだして頂くための覚書きを3ステップでお届けします。
「あら。。ちょっとやってみようかしら?」と思って頂けたら嬉しいです!
・その1: 花
庭・ベランダ・散歩で見つけたものはもちろん、花屋さんで買ったものもOKです。
一輪だけでもいいですし、何輪か使っても構いません。「何輪にしよう?」と迷ってしまったら、まずはお子さまの年齢と同じ本数から始めてみましょう。2歳なら2本、3歳なら3本というように。
・その2:花器
花器にするフラワーベース(花瓶)がなくても大丈夫。家にあるものやママが好きなものを花器にして、お子さまの花とコラボするのもステキです。我が家の子どもたちがよく使うものは、作家さんのコーヒーカップ&ソーサー、カラフルなボウル、知人作の吹きガラスのフラワーベース、プリンの空き容器など(写真参照)。底が広くて安定した形のものを選ぶと倒れる心配も少ないですよ。(注:食器を使う場合、花を飾ったあとは洗剤でキレイに洗う・除菌や漂白をする、などを忘れずに…)
・その3:はさみ
先のとがったものは危ないので、工作ばさみを使います。刃の表面にフッ素加工されているものは、水気が付いてもさびにくくおススメです。
・その4:その他あれこれ
テーブルに敷く新聞紙や大きめの紙、手や水をさっと拭くためのタオル、ゴミ入れのビニール袋など、楽しく、気持ちよく花を活けるために、必要なものは手の届くところにセットしておくといいですね。他には、花留めとしてワイヤーをぐるぐると丸めたものもあると便利。(ワイヤーは100yenショップにもあります)
・その1:花器の水は少なめに
たっぷりの水は花が喜びそうでしょう? でも実は、水が多いとそれだけ雑菌が増えやすいので、気持ちひかえめに入れてみてください。
その2:花の茎は「斜めカット」
茎は真っすぐに切りそろえるよりも、切り口を斜めにカットしたほうが水をよく吸います。水は花のごちそうですから、たっぷりごくごく飲めるほうがいいですよね。この時、茎は水の中でカットしましょう。これはみなさんもご存じの「水切り」。切り口が空気よりも先に水に触れると、ぐんと水を吸い上げやすくなるのです。
その3:葉っぱのおそうじ
水に浸かるところ(茎の下のほう)に葉っぱがあるなら、できるだけ取っておきましょう。これも雑菌を増やさないコツです。
さぁ、いよいよ花を活けていきます。
はさみを持つ手と反対の手は、花にそっと添えます。カットした時に花がボトっと落ちてしまわないように、手のひらで優しく支えます。お子さまがはさみをうまく扱えない時は、どうぞ手を添えて、手伝ってあげてください。お子さまがカットしたいところを「ここ」と指さしてもらい、大人が代わりにカットしてもいいですね。花の(茎の)長さは自由。そして好きな花から順番に花器へ活けていきましょう。花の向きもお任せです。花があっちこっち向いているのも楽しいですよね!
活けている間のこと。
子どもたちはとても集中していますから、静かに見守ってあげましょう。「こうしたらいいんじゃない?」「ほら、ここに入れてごらん」なんて声をかけたいところをグッと我慢して、子どもたちの心のおもむくままに花に触れてもらいます。たとえどんな形のものが出来上がっても、どうぞ優しい言葉をかけてあげてください。「わーステキだね」「お花が楽しそうにしているね」「とってもおもしろく出来たね」etc. その言葉が「わたし・ぼくはできたんだ!」という自信となり、子どもたちの心がぐーんと大きく成長するはずです。そして出来上がったものは、家族みんなが見られるところへ飾りましょう。ママだけでなく、パパやおじいさま、おばあさま、ご兄弟からの言葉がけも、お子さまにとって嬉しいもの。ぜひお子さまの活けた花をじっくりと見てあげて、心がふんわりする言葉をかけてあげてくださいね。
楽しく花を活けた後は、花の姿が変わっていく様子を見守りましょう。
2回目の記事『冬のお部屋に生花パワーを』にも少し書きましたが、花は美しく咲いている時だけでなく、花びらが落ちてしまいそうな頃が美しいものもあります。水を替えたり、小さい器に活け直してあげたりしながら、花と一緒に暮らすような感じで、花の姿の変わる様子をお子さまと一緒に楽しんでみてください。ゆっくりじっくり眺めながら、「またやりたいね!」という気持ちになったなら、きっと「はじめの一歩」がうまく踏み出せたのだと思いますよ。
西野 佳衣子 【花育士・フラワースタイリスト】
記事テーマ
花に触れている時の子どもたちは、瞳がキラキラしていて穏やかで優しい笑顔…本当に愛らしいのです。花はみんなを笑顔にしてくれます。家族の笑顔があふれるよう、気軽に花を暮らしの中に取り入れてみましょう!親子で過ごすひとときを花と一緒に楽しむため、日本&海外の花行事、季節の旬な花選び、小さなお子さまとも楽しめるアレンジなどもお伝えしていきます。