お腹にわが子を授かったという方へ、お仕事への影響や両立のことなど、心配になることもあるかもしれません。でも、まずは“おめでとうございます!”新しい命の誕生に向けて、お腹の中で育てていく時間に入りますね。子どもを授かるということは本当に奇跡のようなできごとです。初めて親になる方も、第二子、第三子を授かったという方も、子どもが家族の元に来てくれる喜びをしっかり味わってくださいね。
その上で、職場の上司や同僚など周囲からも心から祝って頂けるように、しっかり配慮をしていきましょう。今回は、働いて妊娠した時の職場とのコミュニケーションについてお伝えします。
まず、働いている女性が妊娠した際に気になる、職場での伝え方についてですが、誰よりも先に直属の上司へ報告をします。妊娠や出産をする際は、休みが伴いますから、不在にしている間の人員計画を立てる上で、あなたの出産予定日や産休・育休期間、産後の働き方は、職場にとても大切なことです。
大事な報告が、うっかり職場の先輩や同僚に話してしまい、上司への報告をする前に、人づてに伝わってしまう様なことが無いよう、しっかり段取りをすることが大切です。
同僚や先輩、同じ部署のメンバーなどへの報告は、職場の環境や、あなたの体調や仕事に出る影響の有無によっても異なります。上司ともタイミングを相談した上で、周囲への影響に配慮をした上で伝えましょう。
報告のタイミングには、2つの説があります。1つは安定期に入ってから伝える「安定期説」になります。初期の段階では、まだ母体もホルモンバランスが不安定ですし、つわりのピークを越えて流産のリスクが低くなってくるのは、5ヵ月目辺りからだと言われます。安定期に入って、より出産が現実のものとして見えてくる時期に、伝えるという考え方です。特に職場の同僚へ伝える際には、あなたが抜けることで不安を感じさせないために、後任の体制や引継ぎの計画がある程度決まってから伝えるという選択をする場合があります。
一方で、妊娠がわかったらできるだけ早目に伝える説もあります。私自身は、こちらの考え方を勧めています。職場に早く伝えることのメリットとして、大きく2つの良い点があります。一つは、上司にいち早く伝えることで、会社側があなたが抜ける時期の体制をスムーズに整えることができることです。今やっている仕事の後任を用意するために、配置換えをしたり、新たに採用をするケースも出てきます。特に新たに採用をするには、数ヵ月の時間がかかります。お腹が目立つ頃に突然伝えて、会社が準備をする期間もないまま仕事に穴をあけてしまうことだけは避けたいものです。
また、妊娠初期はつわりなど、ホルモンバランスの変化で疲労や頭痛など、様々な症状があらわれます。上司に早く伝えておくことで、過度な残業や重労働について配慮をしてもらうなど、理解をしてもらうことが母体を守ることにもつながります。まだ伝えていないからと、無理をして何かが起こってからでは遅いのです。
妊娠後の体調とも合わせて、いつ伝えることが、あなたやお腹の赤ちゃん、また職場にとっても良いのか。両方に配慮をしてできる限り周りに負荷がかからない様にしていきます。
働きながら妊娠した時に最も大変なのが、妊娠初期です。お腹が大きくなると見た目にはわかりやすく「妊婦」らしくなりますが、母子ともにバランスをくずしやすいこの時期を乗りこえることがポイントになります。筆者自身や経験者から聞いた、子どもを授かった時に仕事で困ったことや、その時の対処方法についてお伝えします。
□ つわり中の電車移動(とくに長距離移動)
(対処)⇒電車が混む時間帯を避ける、座席指定のある電車を選ぶなど体への負担を極力軽くする工夫をする。
□ 食べづわり(仕事中気分がすぐれないことも)
(対処)⇒手軽に口にできるものを用意しておく。
□ 外出で人ごみに出る時(ぶつかるリスクや風邪をもらうリスクも)
(対処)⇒満員電車や人が多い場所や時間帯を避ける。人ごみに出た時にはマスクや手洗いなどの風邪予防をしっかりする。
□ 重たい荷物を運ぶ時(妊娠時にお腹に力を入れるのは危険)
(対処)⇒無理をせず周囲にお願いする。
□ 長時間の労働(時間がたつにつれて体調に影響が出ることも)
(対処)⇒残業をしない工夫を。効率よい仕事を心がける。
~妊娠時の体調は人それぞれ違いますが、ひとつの参考としてください。ぜひ無理をし過ぎず、体調の変化を感じたらすぐに周囲やかかりつけ医に相談して母体を守ってくださいね。これから生まれてくるお腹の子を守ってぶじ出産を迎えることを願っています~
佐藤 若紗 【キャリアカウンセラー】
記事テーマ
子育て世代のママが出産を機に考える事が多い、「育児と仕事の両立」について、出産しても働きたいママが今後のキャリアを築いていくヒントをお届けします。 在宅勤務や時短などの多様な働き方から、使ってみたい便利サービス、ママ視点を活かした働き方など、知っておきたい仕事のあれこれから、保活やママ友づくりなど産後のリアルな体験までお伝えしていきます。