働いていると、ちょっとした仕事の課題から、これからの働き方など、大なり小なり課題を感じたことはありませんか? そうした時、普段どうやって解消されていますか。
悩みは上司へ相談したり、同僚や友人、家族に話を聞いてもらったりということはよくあると思います。ただ、直接の上司には話しづらいことがあったり、友人や家族に聞いてもらって、その場では気持ちがすっきりしても、なかなか解決には至らないこともあるかと思います。今回は、企業でも取組みが始まっている「メンター」について、お話ししていこうと思います。
メンターとは、もともと助言をする人や、相談相手のことを言います。後輩に対して、仕事上の相談だけでなく、周囲との人間関係や身のこなし方などの個人的な問題にまで広く相談に乗って、助言する人のことをいいます。
メンター制度を取り入れている企業では、新入社員の精神的なサポートのためや、女性の結婚・出産といったライフイベントとの両立のサポート、またはマネジメントへ昇格する際など、キャリアのステップを踏む時に選任でアドバイザーを設ける仕組みが取り入れられています。メンターは、相談者のキャリア構築などの悩み相談を受けながら、育成に当たっています。
実際にメンター制度が導入された企業では、離職率が下がったり、女性が今まで数が少なかった職域へキャリアの幅を拡げたり、管理職比率が上がったりと、メンターに相談したことで、効果も出てきています。
メンター制度が、「女性への後押し」にと言われることには、一つ理由があります。男性は、継続して就業している率も管理職比率も高くて、日常の慣用として、自身の目指すロールモデルを職場に見つけられることが多く、自分自身でメンターを見つけやすいと言われています。一方で、女性は自身の職場に自分自身が相談したいキャリアモデルとなる人を見つけ難いと言われています。
それでは、メンターはどのような時に持つとよいのでしょうか。 とくに、入社したばかりの時や、自身が結婚・出産・介護などのライフイベントを抱えて両立に対して不安がある時や、これから先どのように働いていくか漠然と不安を持った時でもよいと思います。職種変更や昇進のタイミングなど、転機となる時にもメンターを持つことは有効です。
また、特に悩みが無いという時でも、例えば伸ばしたいキャリアについて、経験者へアドバイスを求めることもあります。メンターを活用することで、自分自身の成長したいところや、足りないところを補うことで活用している方もいます。
メンターを選ぶ時には、男性でも女性でもどちらでも大丈夫ですし、1人に絞ることもありません。自分自身が今抱えている課題ごとに、何人かのメンターを持ってみてもよいと思います。ただ、相談ごとですから信頼して相談できる「この方なら」という相手を選ぶとよいと思います。社内で見つからなければ、社外で見つけてみるのも良いと思います。
自分だけで頑張ってきた時とは違う視点や解決方法を見つけることができたり、誰かに相談することで、課題を自分の中でもスッキリと整理することができます。メンターを持つことで、ぜひ課題や悩みをためることなく、周囲の協力も得ながら働いていってみてください。
♦厚生労働省ポジティブ・アクション促進事業「女性メンター育成・ネットワーク構築について」
http://mentor-net.jp/index.html
♦離職率ゼロを実現した人事制度とは?【2014年10月23日実施】
http://www.c-mam.co.jp/work2/worklife/positiveaction/mentor2/
佐藤 若紗 【キャリアカウンセラー】
記事テーマ
子育て世代のママが出産を機に考える事が多い、「育児と仕事の両立」について、出産しても働きたいママが今後のキャリアを築いていくヒントをお届けします。 在宅勤務や時短などの多様な働き方から、使ってみたい便利サービス、ママ視点を活かした働き方など、知っておきたい仕事のあれこれから、保活やママ友づくりなど産後のリアルな体験までお伝えしていきます。