曲の練習はするけど、ハノンやツェルニーなどの基本教材をするのは嫌がりますというお悩み相談を受けることがたまにあります。
ピアノは、指を使う運動でもありますので、まず大曲を弾くのであれば、指が動かないと弾けるようにはなりません。
「好きな曲だけみてもらえないか?」とご師事されている先生におっしゃることはありますか?
例えば、好きな曲がベートーベンの悲愴の第3楽章としましょう。まだ2年くらいの習いたての方が年齢にもよりますが、原曲でこのような曲を弾きたいという場合、譜読みはまず、大変ですし、指はきっと思うようには動かないかと思います。
私は、指導していて思うのですが、やっぱり何か習得したいと思った場合、順番があると思います。クラシックにおいては、4期に分かれています。バロック時代、クラシック時代、ロマン派時代、近現代時代。歴史と使用した楽器、またどの時代にどのような作曲家がいて、どのような手法を用いて曲を作曲し、どのような楽器でそれを演奏したのかなど、予め勉強しないと、ペダルのない時代にペダルを入れてしまったり、色々と演奏に支障がおきます。ですので、クラシックピアノを学ぶ場合は、まずはベートーベンのようにクラシック時代から弾いていくのではなく、バロック時代の様式を学び、それからソナタ形式のクラシック時代へ進めていくのが大切だと考えます。
そうして学んでいけば、クラシック時代、ロマン派時代と渡っていくときに、いかに「バロック時代を学ぶことが大切なのか」を実感するでしょう。それを学ばずにソナタを弾いたりしても理解して弾いているというのは言いがたいと思います。
私も人の親です。我が子を早く上達させたい!
そう思う気持ちはよくわかります。しかしながら、早道はありません。ないと思ってください。もし、きちんと学びたいのではあれば、時代順に勉強しましょう。じっくり丁寧に学びましょう。
ハノンや基礎教本をしっかり活用し、技術と指の独立運動をしっかりしましょう。苦手な運指のフレーズなどが解決し、ピアノがより音楽的になるはずです。非常に大切なことです。
ハノンだけでも初心者は最低20分くらい、準備運動と思って頑張りましょうね! それを続けていけば、どんどん上達するはずです。決してレッスン前に少しだけ練習して、レッスンに伺うなどということのないように、しっかり学ぶために、習得できるように頑張りましょう!! また、おうちの方のお声掛けは大切ですね! 万が一でも、「こんなの練習して何になるんだろうね?!」なんていう発言はしないようにしましょう。子どもは親が話すことをよく考え、感じる子が多いので、「これはきっとピアノが弾けるようになるためにとても大切な教本だよ、ママと一緒に頑張ろう」と前向きになれるようなお声掛けをしましょう♪
いつも、ご自身のお子さんが名曲を弾けるようになった姿を想像していけば楽しくなりますよ。
それから、ピアノは弾けるようになるまで最低10年くらいはかかると思ってくださいね!
5年、6年ではまだまだ! それから先が大切です。
いつも心に音楽を♪