朝食の時、今日はリストのピアノ曲をメインに、「愛の夢」を聴きながらトーストとコーヒーをいただく。特に休日は音楽を聴きながら、食事をいただくようにしています。朝食の時に音楽をかけるなんて、優雅! そんな時間はないと思われた方もいらっしゃるでしょう。しかし、今は便利な時代ですから、様々なやり方で音楽はすぐにかけられる時代になりました。
朝食の時に音楽を聴くと、慌ただしい朝が少し気持ちも穏やかになりとてもオススメです。
豊かな時間というのは一般的には、やってくるものではなく、作るものではないかなと思うのです。
例えば、ゆったりした美しいロマン派のピアノ曲を練習する際に、自分自身が慌ただしくしていたら、曲をうまく演奏することができるでしょうか?弾く前まで慌ただしく、弾く際には切り替えて曲に入り込む。これは、大人ならまだしも、子どもができる技ではありません。ピアノに向かう準備時間というのを是非設けていただきたいです。
例えば、レッスンに行く前、公園で遊んでいてそのままレッスンへということも小さいうちはあるのかもしれませんが、レッスンに行く際には、遊びを早めに切り上げて、そこでギリギリになってピアノの宿題をするというのはよろしくありません。
レッスンに行く際には、少し何かお子様をピアノモードにしておくということはすごく大切です。ゆったりしたピアノ曲を一緒に聞いたり、今習っている曲をゆっくり聞いたり。
理想的なことを書いてしまっているかもしれませんが、そういう姿勢でレッスンにのぞめば、きっとゆったりしたロマン派のピアノ曲は、ゆったりしたロマン派のピアノ曲らしく弾けると思うのです。
ただ、音符とリズムがわかりますという演奏ではなく、自分の音楽はこうです!と表現できること、表現できる喜びを感じてほしい。
そういう演奏ができるようにレッスンを積み重ねて大切に受けてほしいなと思います。
そのために必要なことを参考に書いておきます。
1、基本練習をしっかりおうちで時間をかけて取り組む
2、ゆっくり音楽を聴いて嗜む時間を設ける
3、絵画などの芸術に親しむ
4、プロや自分より上手だと思う方の演奏を聴いて学ぶ
5、歴史を学ぶ、楽器を学ぶ
他にもたくさんありますが、例えば4項目にたいしては、1つの方法として、ピティナ主催のピアノステップという、大きなホールで演奏し、数名の先生にアドバイスをいただける、文部科学省後援の公演が全国各地で開催されています。
ここでは、同じくらいの年齢で違うお教室で学んだ方々が同じ曲を弾いたりします。
凄く勉強している子もたくさんいます。
コンクールのように競い合うということではないのでリラックスして受けることができます。
自分のお教室で発表会に参加するだけでなくこのような公演に参加すると、他で学んでいる子から刺激をもらえるし、アドバイスもいただけるのでオススメです。
ピアノを深く学ぶには、レッスンを受けるだけでなく様々な角度からの学びが必要です。
少しずつ、こんな学び方はいかがでしょうかというアドバイスも書いてみたいと思います。
いつも心にピアノ&音楽を♪
楳寿 あかり 【音楽教育家】
記事テーマ
習い事ランキングに必ず上位になる「ピアノ」最近、「ピアノは脳に良い」「人気の習い事だからとりあえず」という理由で始められる方が増えてきましたが、数ヶ月すると、「塾に行って脳を鍛えます」「むいてなかった」「練習がきつい」等の理由で続かない方も。どうすれば、「音楽」を楽しく学び続けていけるのかをいろいろな観点から連載していきます。