このあいだ、ピアニスト兼レスナーをされている先生に、「音楽的な演奏をする生徒さんを育てるためにはいつ頃から音楽的なお話をしたら良いか」とのご質問をうけました。
素晴らしい大先生で、ピアニストでもある先生からのご質問に私のようなものが回答するようなことはないのではないかなと、本当に恐縮しました。
私も、そういったことでいつも、「まだまだ小さい三歳・四歳の生徒さんにどこまで?」と思うことがよくありました。しかし、彼らは、小さいながら、よくお話を聞き、理解しようと聞いてくれているような気がします。なので、私は導入期! つまり、最初からです。
例えば、「ベートーヴェンさんという偉大な作曲家がいてね~」と話すとき、彼らには、「私たちが住んでいるところは日本っていう国なんだけど、ベートーヴェンさんの生まれた所はドイツのボンって言ってね~」と国のお話、そこでの生活&環境、ベートーヴェンがどういう人だったと言われていたかとか、そんな話を私は年齢関係なく、しかしながら、年齢に応じて話をわかりやすく、例えをわかりやすくをコンセプトに話を進めていきます。
このときに、自分のなかで大切にしていることは、伝えたいことがしっかり伝わるようにお話を考える、そして、仮に伝わらなくてもいいんだ、聞き流されてもいいんだ! また、話そう!
話すタイミングがきたらまた、話そう! そうして、反復することによって、いつの日かと思いながら、自分がその曲に対してだったり、作曲家に対してだったり、話したいことは集約しながらも、音間違いや、リズムなどの基本的なところだけではなく、「よりその曲を知る」をコンセプトにお話しします。1曲に対して沢山学んだほうが楽しいんじゃないでしょうか? そして、そんな話がその瞬間に生かされなくてもいいのです。忘れてもいいのです。そしたら、また、話せば良い! 私のなかではそれだけです。
「こないだ話したでしょ!」は私の中にはあまりありません。
「そうか、この子にはこの話じゃ面白くなかったか! じゃあ、同じことを話すときにまた伝えかたを変えてみよう」と変えたら伝わる! そういったことはあります。
話ってですね、全て、自分が思っている、言っていることが相手に全て伝わっている! そう考えては難しいですね。今、私が書いていることも然りです。
受け取り方や考え方、全て人それぞれありますね。
ですから、人対人のレッスン、それはそういうことも踏まえながら、でも伝えていきたいことは、妥協しない・ぶれない! それを気をつけながら根気強く楽しんでレッスンに取り組むと自分も楽しくなりますし、「この子にはこういう風に話したほうが伝わるなー」とかいろいろ生徒さん自身のこともわかるようになるかなと思います。
音楽やピアノは、ゆっくりと着実に末長く楽しむことがとても大切だと思います。でないと、音楽はそう簡単に理解できませんし、長年しても、ずっと継続・発展・発見の連続です。
小さいながらに、曲にまつわるいろいろな話を聞きながら指導を受けるのと、単にメロディ、リズムなどに気をつけながらの指導を受けるのとでは、後々の音楽性は変わると思いますし、私自身は、メロディ&リズムは独学でも学べることという認識があるので、できたらそれももちろん大切ですが、それ以外の、自分が学んできたもっと音楽を知るうえで大切にしている部分をわかりやすく、伝わるまで伝える! そういう気持ちでレッスンすると楽しくなりますね♪
ピアニストという立場ならではの、いろいろな豊富な知識をお持ちの先生に師事できる生徒さんはしあわせですから、先生ならでは!の部分を大切にされると、生徒さんはもっと音楽も先生のことも知りたいなってなると私は思います。
そういう年月を積み重ねると、まだまだ幼かった生徒さんが感動的かつ音楽的な演奏をされるようになるかと思いますし、レッスンは技術を的確に指導し、それを学び、演奏をするうえで大切な音楽性を指導し、それを学び、そして、信頼関係ができたころには、きっとそういう演奏ができる生徒さんになっていると思います。先生にもいろいろな先生がいますね、お話上手、お話苦手だからピアノを弾いて伝える、歌を歌いながら弾きながら指導する。
100人の生徒さんがいたら、100人の先生がいますし、それぞれのカラーが面白い、だから、そこから奏でられる音楽が面白い! そういう世界ですね。
私は、ご質問頂きました大先生のピアノがとっても大好きですし、素晴らしいと心から思いますし、先生のお人柄に憧れるほど、どれをみても羨ましいほどの先生です。
自分にはないものが沢山あります!
音から感じる素晴らしい音楽性と先生の美しい世界観♪ 到底真似ようとしてもそうはいかない、先生だからできること! それを先生が一番楽しみながら、レッスンされることが、先生のことが大好きな生徒さんは一番伝わるし、喜ぶことなんじゃないかなと思います。
私はちなみに、歌を歌うこと、これは音楽の原点と考えているので、よくレッスンでは歌を歌いながら弾きながら指導をしています。
歌は微妙な表現がつけやすく、言葉で些細な表現が見つからないときに非常に助かるなと思います。
特に強い音ではなく、ピアニッシモを伝えたい、こんなピアニッシモ♪というようなかなり繊細なタッチは声の息づかい、歌という誰しもが親しみやすい音から、なんとなく、生徒さんたちの掴みが良い気がしています。
自分の伝えたいことをコンセプトに自分の指導カラーを♪
自分はレッスンさせて頂くことが生きがいなのですが、自分のレッスンもまだまだ進化して生徒さんに喜んでもらえるように頑張っていきます♪
いつも、心に音楽&ピアノを♪