前回のコラムで、手の形、書き忘れていたことがありました。「上から見て爪が見えないこと!」です。
このことを教えて下さいましたのは、福岡県で、ピアノ教室をされている鬼丸悦子先生で、私のピアノの恩師です。
こないだは、我が息子が初めて先生にピアノを聞いて頂きました。いろいろな思い出がよみがえり感動したのも束の間、4歳の息子がなかなか手の形、リズムが安定せず、先生から沢山のアドバイスを頂きました。
息子と同じくらいのときに、私が先生から習ったことが、ふとよみがえり、寛大な先生のご指導のおかげで、私が音楽&ピアノが素晴らしいこと、楽しいことを学べ、大好きになるベースができたのだと再確認しました。
先生は息子にも温かい言葉をかけて下さり、先生が帰ったあとも得意気に喜んでピアノを弾いていました。
褒めることの大切さ、だけど、出来ていないところはきちんと丁寧にかつ分かりやすく教えていくこと、指導に大切なことを先生から学ばせて頂いています。
さて、前回は「正しい指・手の形」についてでした。
今回のコラムでは、「正しい姿勢や基本練習について」書いてみたいと思います。
手の形、フォームはもちろん大切なのですが、姿勢とフォームは1セットでとらえなければ、良い音には結びついていきません。
前回のコラムの再確認ですが、椅子の位置は右足をダンパーペダル「3本あるうちの一番右側」に足を乗せたまま「ペダルを使う場合は親指の付け根のところを乗せる」立ち、身体がピアノに付かない程度に椅子をセットしましょう。
そして、座ってみて、ピアノの88鍵盤を全て見渡すことができるか確認してみましょう。
それから、身体が自由に動かすことができるかも確認してみましょう。
椅子の高さですが、ピアノの鍵盤に手を乗せて手首が下がりすぎる上がりすぎるがないよう、手首はほんの少し高く、しかし、ほぼ水平なフォームになるように椅子をセットします。
小さなお子さまで、補助台・補助ペダルをお持ちでないかたもいるかもしれませんが、足がふらふらするとどうしても違うところの筋肉に力が入ります。きちんと、補助台を購入し、常に足は床もしくは補助台に乗せておくことをおすすめします。
また、身長が高くなり必要でなくなった場合も、お教室の小さな生徒さんに譲るなどできるかと思います。
何年間しか使わないと思っても本当は大切なところでもあります。
ピアノをしている人は姿勢が良いね!と言われたことはありますか?
演奏者は、背もたれのある椅子に腰をかけた場合も、深くは座りません。そして、浅くも座りません。深すぎると鍵盤に指が届かない、端から端まで指が届かないなんてこともありますし、浅ければ、安定感なく、小さなお子さまなら椅子から落ちるなんてこともあり、危険です。
椅子はまん中、半分くらいに腰掛けてみましょう。これも身体の大きさによってサイズが変わります。
師事されている先生に細かくは聞いてみてくださいね。
それから、椅子に座ったときに身体が安定し、かつ自由自在にピアノを弾くには、左足の位置も非常に重要なのです。
左足は、右足がペダル付近にありますから、その近くかなと思われる方も多いかもしれませんが、左足は、椅子の脚に近いところに右足より引いておくほうが、身体が安定します。
そして、椅子と密着しているお尻の尾てい骨を意識して重心を乗せていけば上半身、下半身ともに安定感があります。
座る位置、足の位置、手のフォームが定まったら、ピアノを弾いてみましょう。
まだ幼い小さなお子さまの小さな指ではなかなかピアノは指先を起こしてピアノを弾くことは難しいかもしれませんが、決してすぐに「こんな手のフォームじゃいい音で弾けないでしょ!!」とか、強い口調で言うのではなく、根気強く、優しい口調で正しいフォームを教えていくことが非常に大切です。
「指を寝かせて弾くしかできない」と言う生徒さんも、少しずつ、、、仮に正しいフォームができるようになるのが、1年かかってもいいじゃないでしょうか?
コンクールを受ける、ピアニストになりたいという場合はのんびりゆっくりもできないのかもしれませんが、末長く、その子が大きくなったときにきちんと弾けるようにじっくり根気強くやることが大切だと私は考えます。
焦ったり、諦めるのはよくありません。
小さなお子さまもいつまでも小さなままではなく、日々目まぐるしい成長をされています。
昨日できなかったことが今日できた!すぐできた!
そんなこともあるはずです。
だけど、忘れやすいのも子どもの特徴ですから、根気強く、正しいフォームを教えながら、反復、そして、少しずつの前進をしていく、その積み重ねがピアノは大切です。
前回のコラムで、「ピアノがこんなに奥深かったとは」「レッスンでそこは意識せずしていました、反省して今取り組んでいます」「ピアノを習ったことのない親でもよくわかる内容でした」など有難いコメント、メッセージを沢山頂きました。
導入期が1番大切です。
そこで、フォーム&姿勢を確実に押さえていく必要があります。
華奢な方に多いですが、弾きながら肩が上がる弾き方なら、真後ろに立ち、肩に両手をおろして置くか、1度弾かせるのを止めて、肩を1度上げて下ろし、下ろしたところが一番リラックスしていて、余計な力がかからないことを伝えましょう。
それから、弾いているときに猫背になる方がいたら、腰に手を当てるだけでピーンと伸びますからやってみてくださいね。
さて、では基本練習について書いてみましょう。
今回は、幼いお子さまの毎日の練習で大切なことを書きたいと思います。
皆さんは、ピアノを毎日どれくらい練習されていますか?
大半の方が、学校やお仕事など、社会生活がありその中に、ピアノがある感じかもしれません。
24時間は全て平等です。
ピアノは、毎日コツコツが大切と言っても、なかなか難しいときもあるでしょう。
ましてや、幼いお子さまに毎日コツコツとても難しいなぁと思うこと、多々あると思います。
小さなお子さまのお母さまは毎日の練習に一苦労されているでしょう。
無論、私も同じ立場です。
息子と練習、一苦労しています。
幼いお子さまの基本練習のポイント
1,手のフォーム、姿勢を身につけさせる。
2,興味のあるものからさせる。
3,苦手なこともさらっと1度はさせてみる
リズムが好きな子はリズム。ソルフェージュが好きな子はソルフェージュ。ピアノを弾くのが好きな子は弾くことから。副教材でストレッチが好きな子はストレッチ聴音、楽典が好きな子は聴音&楽典。
そして、少しずつの量で良いので全てを満遍なくする。
幼児教育のポイントは、「もう少ししたい!!」と本人がいうところでやめておくことです。楽しいからと言ってやりすぎると、「楽しいけど疲れたなぁ」という気持ちが脳に残り、次の日、「きついからしたくない」なんてことを言うこともあります。
お母さんは「昨日、あれだけ、楽しい!楽しい!ってやってたじゃない!きっと楽しいからやりましょう!」と無理やり椅子に座らせたりすると、、積み重ねてきた良い習慣が崩れて、「ピアノきつい、したくないな」となってしまうこともありますので、お子さまが少しの量を楽々できるようになるまでは、その少しずついろいろなことを毎日するというところを大切にいくと良いと思います。そして、次がポイントですが、必ずレッスンで合格した曲も1度弾かせるということを大事にしてください。
合格した曲に、すぐさようなら~をするのではなく、自信をつけさせる意味でも、いつでも、どこでも、弾ける自分のレパートリーを沢山もっておくことは、本人にとってかけがえのない財産ですし、力になります。
そうしていくと、自信につながり、努力していくとこんなに力がついていくんだということがわかるようになるのです。
ポイントは弾くことに重点をおきながらも、リズム、歌、ストレッチ、楽典などを少しずつ満遍なくやりましょう!
それから、必ず、眠たくないときに練習は行いましょう。
集中力がないときに練習しても、効果を生みませんし、練習態度にイライラお母様がしてしまっては親子関係にも良くはありません。
習慣になってはいけませんが、どうしても練習したくない!大泣きして嫌がる場合は、無理やりせず、落ち着いたら一回だけ弾いたら終わりにしょう!と毎日することが大切なんだよということを小さなうちから習慣づけさせてください。
お母様は日常だけでもお忙しいかと思いますが、毎日コツコツ楽しく練習がピアノは非常に大切です。
仮に1回弾くのにさほど時間はかかりません。
全ての家事ややっていることをやめて、1回だけでも、毎日ピアノを聞いてあげてくださいね。
ピアノが親子のコミュニケーションの1つとなりますように。
いつも心にピアノと音楽を♪