ピアノの楽しみ方⑮でも書きましたが、ピアノを打鍵し、音を鳴らすのは容易であったとしても、ピアノを奏でるのは容易ではありません。
私も、今の自分のグランドピアノとのお付き合いも長くなってきましたが、それでも、頭では「ここはこの音を奏でるぞ!」とイメージはしているのに、まだまだその音が瞬時にできていない!ということもあります。
音楽は見えるようで見えてないなくて、届きそうで離れていく、だからおもしろいのかもしれませんが、ピアノはとても奥が深いのです。長いお付き合いでまだまだわからないこともあります。だからこそ続けていきたいのです。
そんなことをふと考えていました。
色彩豊かなピアノは、なんとも魅力的でまるで私は完璧だと言わんばかりに美しく心に響いてきます。
さて、では、そのような音楽をピアノを弾いていくにはどうしたらよいのかを今回は書いて参りたいと思います!
「色彩豊かなピアノはすぐにできるものではないです」と前回のコラムでお話ししました。
では、私がレッスンで行っている、色彩豊かな演奏をするためのひとつのアプローチのツールをご紹介します♪♪
「和音を色彩的に感じてみる」
まずは導入時期では感覚的なものを育てていくことはとても大切だと思うので、例えば、「ドミソ=コードネームC」と理解するよりも、「ドミソ」のイメージの色は、ドとミのイメージはオレンジ色でソは黄色かなぁ~一番明るい音はソかなぁ~とぐるぐる色を塗ってみましょう!!
対称的に「ドミ♭ソ=Cmシーマイナーと読みます」
ドはオレンジ色、ミの♭は紫色、ソはグレー色とぐるぐる色を塗ります。
そうしたら、二つの音の明らかな違いを意味理解するには難しい年齢でも、色を目で感じることができます。
「ドミソ」の方は暖色系、明るい、温かいというイメージが持てると思いますし、「ドミ♭ソ」の方はドは変わらないにしてもミに♭が入りドにミの♭を混ぜた響きが誕生したことで、ソは打鍵の位置は変わっていませんが、グレーのような寒色系、暗いというイメージを持てるかと思います。
まず、幼児期の導入の場合は、この二つの和音の色塗りをして和音の色彩的な感覚を耳で理解していき、理解することができたら、弾いて感じるということがわかるようになると奏でるという意思が生まれると思います!
例えば、「そこは、Cだから、明るく響く和音で引かないと」とか「Cmだから悲しげに弾きなさい」と突然言われても、感覚的な意識づけがされてない生徒に言ってもなかなか伝わらないと思うのです。ですから、幼児期の導入の段階でこのように感覚的な意識づけを色を塗ることで導入すると違ってくると思います。
それから色塗りが好きではないお子さまには、「絵を描く」
例えば、右手のメロディがどんどん上昇して下降するようなゆったりした曲の場合は、上昇しきった一番上の音に、一番背の高い木を描き、ニコニコ顔のことりを描いたり、一番高い音「Top tone」に向かうメロディは多いと思うので、一番高い音にプレゼントのマークを描いて、「開けたら何が入ってるかな?ワクワクしながらプレゼントの箱に向かって弾いてみてね、ほら~だんだん近づいてきたよ~♪」とかいうお話をしながらプレゼントの箱が描いてある音まで向かいます。そして、「開けたら何が入ってるかな?欲しいもの入ってたかな?」とかお話をしながらメロディの歌いかた、音による色彩をつけて一緒に学びます。
単に音をさらって弾くよりとてもワクワク楽しめると思いますし、「えっと、プレゼントの中身はね、今一番気になる欲しいものだよ」なんてお話ができるお子さまは、想像力が豊かで音を色彩的に感じてみるのは得意かもしれません。
子どものころに、こういった色彩を感じる心を育てることが、成長期の想像力ややる気を開花させていくことに繋がりますし、心が豊かになり健全な心を育てるひとつになるかと思います。
このようなことは、「わが子を芸術家に育てるわけではないから必要ない」と思われた方は尚更考えてみてほしいのです。
思いやりの心、愛情、自分を大切に思うこと、人を大切に思うこと、すべて心の教育がとても大切です。
今の世の中は現実主義的なことが多いです。
確かに現実的なことも大切ではありますが、やはり心の教育、感覚的なことは幼児期の小さいときから、心が健全な人間に育てるためになくてはならないと思います。音楽教育ではまさにそれを大切にしています。
話はそれましたが、ピアノを弾くことで、精神的発育、リズムを学ぶことで、数字的にも感覚的にも考える力が身に付き、右脳と左脳の両方を開くことで、心に沢山の素敵な花を咲かせます。花を咲かせたら、音楽だけではなく、様々なことに前向きに楽しめる、チャレンジ精神が生まれます。
それは、お金では買うことができない、何にも換えがたい素敵なものです。
是非、ピアノを単に弾くだけではなく、色彩的に学んでみて下さい! スコア上は白と黒にしか見えませんが、それを続けていくとスコアがカラフルに見えてきだし、音楽の紐を解くヒントになっていくでしょう!
そして、ますますピアノが楽しく、面白く、また、人の気持ちのわかる人になっていくでしょう。。。
音楽の力は素晴らしく、言葉で伝わらない感覚的なことを沢山諭してくれます♪
貴女とお子さまがより素敵になる魔法をピアノは持っています!
いつも心にピアノ&音楽を!!
それを感じたとき、何よりピアノが好きに、またピアノも貴女を好きになり、思った音を奏でてくれますよ、きっと♪♪
そしたら、また次のステップに。