早くも鏡開きとなりましたが、皆様、お正月をいかがお過ごしになられたでしょう?お正月は子どもたちに日本の文化、地域の風習、家の伝統に触れさせる絶好のチャンスです。いいえ、子どもたちだけではありません。大人にとっても、和に還る大切な時間です。とりわけ、ママ世代の私たちは、それらを親世代から受け、子どもたちに継ぐという大切な役割を担っています。いまいちど、子どもたちの 『これ、なあに?』 『何でそうするの?』という興味や関心に目線を合わせて、和を楽しみたいものですね。
お正月とは、新しい年神様を迎えるための行事です。『門松』は年神様を家に迎えるための目印。『注連飾り』は年神様が鎮まる場所の邪を除き穢れを祓うために用いるもの。『鏡餅』や『お節料理』は年神様にお供えするもの。お飾りも地方によって型が違うので、それぞれの家のやり方、飾り方をしっかり聞いておかなければなりませんね。
また、初詣、年賀状、挨拶回り、お年玉、お雑煮、七草粥、鏡開き・・・全部が全部、しきたり通り完璧にしようとすると、何だかちょっぴり面倒になったり、煩わしく感じてしまうかもしれませんね。毎年毎年、繰り返しながら、簡素化するもの、省くもの、残すもの、取り入れるものを、その家の風習や文化に合わせて、新旧入り混ぜながら、子どもに引き継いでいければいいですね。
昨年12月4日、『和食 日本人の伝統的な食文化』がユネスコ無形文化遺産に登録されましたね。
そこでは、『和食の特徴』として、
・多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
・栄養バランスに優れた健康的な食生活
・自然の美しさや季節の移ろいの表現
・正月などの年中行事との密接な関わり
と挙げられています。更に4つ目について詳しく記すと、『日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきました。』ということです。
これって、まさしく、『お節料理』ですよね?!どこかの有名な料亭の板前さんが作った見るからに美しく絶品な料理を特定しているのではないのです。私たちが、子どもの頃から何気なく食べてきた、そして我が家では人気薄の・・・あのお節料理、またはお節料理を囲む文化、慣習が対象となったのです。
これって、すごいことだと思いませんか?世界が認めた文化遺産が自分の手の内にあるのですから!!!それを安易に、お節料理はもうやめてしまおうだの、買っちゃおうだの・・・何だかとってももったいないような気がしてきました。
お重箱に縁起物が全て揃わなくても、家族が好きな具材をプラスして、親からの味や自分の味を伝えたい。そしてそのお節料理を囲み、黒豆や蓮根を勧めながら「まめに暮らせるように!」とか「将来の見通しがいいように!」とか、料理のひとつひとつに幸せを願う意味が込められていることを伝えていきたいです。
無形文化遺産の伝承は私たちの大きな役割ですね。
かくいう私はお恥ずかしながら、お雑煮すら、まだ受け継ぐというところまでいっておりません。受けるばかりで、継ぐが出来ていないのです。毎年、夫の実家では母が作ってくれます。鶏肉や野菜が入ったすまし汁のお雑煮で、これを家族でいただきながら、「私が伝承していくお雑煮はこれなんだ」と心に刻みます。夫も子どもたちも大好きなすまし汁のお雑煮です。でも、三が日が終わり、自分の実家に帰っては、やっぱり恋しい白みそのお雑煮を母に作ってもらいます。関西は白みそに丸餅といったところですが、中のお餅は、夫の父がついて持たせてくれたので、角餅です。
私はそんなお雑煮をいただきながら、いつか私の娘も嫁いだ先の味に染まりつつも、私のお雑煮を食べに帰ってくるのかな・・・などと、ぼんやり想像したりします。受け継ぐことに、感謝と幸せをかみしめながら。。。
参考文献
『伝えておきたい日本の伝統 季節の慣習』 山䕃基央 著 マネジメント伸社
『子どもに教える 今日はどんな日?』 高橋 司 著 PHP出版
『現代家庭の年中行事』 井上 忠司 著 講談社現代新書
農林水産省 ホームページ 『日本食文化をユネスコ無形文化遺産に』
☆お知らせ☆
新春NOSS体験
日時 1月31日(金) 14時~15時
場所 きもの喜陽音(滋賀県大津市)
会費 1500円
お正月の運動不足解消に・・・
新しい年、何か新しいこと始めてみたい方に・・・
初詣で着た着物、片付ける前に・・・
お申込み
鈴木 麻奈美 【日本舞踊藤間流名取・NOSSインストラクター】
記事テーマ
グローバル時代において、和の精神、和の文化を持つことは、これから世界で活躍されるであろうお子さまたちの心のよりどころとなるでしょう。3年半のアメリカ暮らしで気付いた和の魅力、日々の暮らしの中にある和の素敵をお伝えしていきます。あなたの気付きとなりますように。お子さまたちの和のスマイルを育む毎日につながりますように。