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日本舞踊/2013年12月

日本舞踊のススメ

お子さまの習い事に日本舞踊はいかがですか?

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和のリズムに合わせて着物で踊るかわいい姿は、周りを楽しませてくれるだけではありません。

お稽古を通して表現することの楽しさを知り、さまざまな情景や心情をイメージする力も養われていくことでしょう。

子どもの頃に身についた所作は一生ものです。

また国際社会においても、自国の文化を発信していく手段となります。

 

日本舞踊の魅力をざっと挙げてみましたが、もう少し詳しくみていきましょう。

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リズムと間

リズムとともに動く体の躍動感を味わい知ること。

これは踊り(ダンス)の醍醐味の一つですね。リズムにのって踊るのは本当に楽しく気持ちがいいものです。

でもリズミカルというと、ヒップホップのようなダンスを想像されることが多いでしょう。

昨今、日本の義務教育においてダンスの授業が取り入れられるようになりました。それに伴い、ヒップホップ系のダンスを習うお子さまが増えたようですが、

もれなく日本舞踊でもしっかりリズム感を養うことが出来ます。

10月に記載した『和のフィットネス』で、

『小学生ぐらいまでは遅筋といって、ゆっくり動く筋肉がかなり優位に動く時期で、小学校の間は出来るだけゆったりとした動きを通して、バランスとか運動神経とかいろんな動きをさせていくことが大事 (参考資料 『7分のおどりで筋力強化!』西川右近・西川千雅著 湯浅景元監修 日本経済新聞出版社)』

という湯浅教授のご意見を紹介させていただきました。

このゆっくりとした動きが早い動きへとつながっていきます。

また日本舞踊には独特の 『間(ま)』というものがあります。

これは、机上ではけっしてつかめない、日々のお稽古の中で体や感覚で体得していくものです。そしてこの『間』の取りかたは、踊りだけでなく、スポーツやコミュニケーションの分野にも大きく働きかけることでしょう。

ここを誤ると、『間の悪い人』、『間抜け』なんてことになってしまいがちですよね。

表現力

日本舞踊は単純にリズムにのって体を動かすだけではなく、演じる楽しみもあります。

勇ましい男性にもなれれば、妖艶な女性にも。時にはくだけたおかめ、ひょっとこ、恐ろしいもののけにもなれます。演目によって七変化出来るのは楽しいものです。

また演じることによって客観性が養われます。違う誰かになることで、他人の状況や心情を考えることを大切にします。

踊りによって自分を表現し、

演じることで他人を表現する。

自分を知ること、他人を理解しようとすること、どちらも大切なことですね。

文化

実は海外に出るまで、そうも感じていませんでしたが、

紹介出来る自国の文化があるというのは、誇らしいことだなと思いました。

そしてその文化を紹介出来る手段を持っているということは、つくづく幸せなことだと感じました。

日本舞踊の歴史は諸説がありますが、歌舞伎とともに歩んだととらえるならば、400年以上・・・そんな歴史ある自国の文化を脈々と受け継いでいく一人になるなんて、素晴らしいことだと思いませんか?!

ちょっと、大袈裟でしょうが、日本人として、だれもがそんなチャンスと可能性を持っているのです。

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もっと身近に。

しかしながら、現在の日本舞踊は伝統文化ゆえの敷居の高さ、流儀による堅苦しさ、時間もお金もかかるイメージが強くて、気軽には始められないのが現状ではないでしょうか?

まずは、古典や流儀にとらわれず、和のリズムで体を動かすことから始め、日本舞踊を身近に感じてもらうことが、みなさまへの願いであり、舞踊家の課題であります。

西川流の家元が考案された『NOSS』はフィットネスに止まらず、日本舞踊入門の扉として、広く開けられています。ここから入るのもお手軽だと思います。

もっと気軽に、もっと身近に! 始めるのに、早すぎるも遅すぎるもありません。一生を通して関わってみて下さい。

『日本舞踊』とは読んで字のごとく、『日本の舞い、踊り』なのですから。。。

Mama's profile/プロフィール

鈴木 麻奈美

鈴木 麻奈美 【日本舞踊藤間流名取・NOSSインストラクター】

記事テーマ

和の魅力

グローバル時代において、和の精神、和の文化を持つことは、これから世界で活躍されるであろうお子さまたちの心のよりどころとなるでしょう。3年半のアメリカ暮らしで気付いた和の魅力、日々の暮らしの中にある和の素敵をお伝えしていきます。あなたの気付きとなりますように。お子さまたちの和のスマイルを育む毎日につながりますように。

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