国語事典で『わ(和)』を引くと、
①やわらぐこと。おだやか。
②むつまじいこと。
③仲なおり。
④日本。倭
⑤いくつかの数を加えたあたい。合計。
と書いてあります。そんな活字にフーっと息を吹き込みたくて、1年間、私なりに発信してきた『和の魅力』、皆さまに届いていたでしょうか? いいえ、届けていたなんていうのはおこがましく、私自身が毎回、感じていました。
『和の暦』では月について、春には『さくら』秋には『紅葉』、『日本一の山と湖』に触れ自然の恵みに感謝し、『和菓子』や『百人一首』では四季を愛でる心を感じました。
『七五三』、『お正月』や『ひなまつり』、『こどもの日』、『七夕』の伝統行事の中には先祖を敬う心、子どもの成長を祈る心が随所に込められていることを知りました。
『お辞儀』などの和のしぐさ、『和の宗教』、『美しい言の葉』では和の精神が『日本人の美しい立ち居振舞い』となることを語りました。
『着物』を着ることや『日本舞踊』や『和のフィットネスNOSS』のお勧めもさせていただきました。
『おりがみ』や『昔の遊び』を通して子どもたちに自然に文化の継承をしていることにも気づきました。
『能』や『祇園祭り』に関しては、初めて知ることばかりで、私にとっては今更ながらの新世界でした。
このように、大した専門知識もないままに、和の魅力の発信の機会を与えて頂いてきたわけですが、私からお伝えすることは、ここまでです。
それは、和の魅力が尽きたからでも、私の興味が失せたからでもありません。
子どもの頃習っていた書道、花嫁修業の真似ごとで習った華道、今になってやり始めた茶道、子どもにやらせたい武道・・・
箏や三味線、小唄にも興味があるし、舞妓さんや忍者についてもレポートしてみたいと思っていました。
歌舞伎や相撲、マンガも海外で絶大な人気の日本文化です。源氏物語や、昔話、童謡、やきものや友禅、お寺や神社、庭園・・・
尽きることのない和の魅力をまだまだ学んでいくつもりですが、私が発信出来るのはここまでだとわきまえております。
私がお伝えしたかったことは、中途半端な専門知識でなければ、日本舞踊やNOSSの宣伝でもなく、また、行事や慣習の強行でもありません。
当初から思いはひとつです。
あなたの中にある和の魅力に気付いてほしいということです。
それは自分のルーツを知るとか文化の伝承とか、そんな大層なものでなくてもいいのです。
ただただ、日々の暮らしの中にある和の素敵に気付いてほしいのです。
このサイトを訪れ、この記事を読み進めて下さった方なら、もう既に和の魅力にお気づきだと思います。そしてそんなお方なら、きっと、もっと上手に和の魅力を発信されていかれることでしょう。
私の役目は、あなたの中に元々ちゃんとある和のページを開いていただくことでした。
そしてそのページは見つかったに違いありません。どうぞ、そのページをお子さまに読んで差し上げて下さい。
文化が無くても伝統行事をやらなくても、命に別状はありません。(笑)
でも、この宇宙で偶然にも人間として生を受け、奇跡的に日本人として育った中に、こんなにも素晴らしい和の文化がここにあるということを知っておきたいです。
そしてそこから、しきたりや慣わしに縛られてがんじがらめになるのではなく、それぞれの家庭で無理せず、出来る範囲で、受け継いでいけばいいのです。それは多様であっていいのだと思います。新しいものでも、異文化でも、楽しんでいけるといいですね。つまり、クリスマスやバレンタインデー、ハロウィンも受け入れていけばいいのです。日本人の多くが八百万(やおよろず)の神を信じてきた柔軟さで、それぞれの家庭で守りながら進化していけばいいのです。
和の行事や文化は、自然の恵みに感謝すること、ご先祖様を敬うこと、子どもの成長を祈ること、家族や地域の絆を強くすること、異文化の人たちと理解し合うこと・・・。
そして何より、人生を楽しく豊かにすること。
お子さまの笑顔を育む毎日になりますように。
冒頭に書いた国語辞典の『和』の意味通り、おだやかでむつまじく、いくつかの数を加えたあたいとなってほしいです。
『和』とは足し算なのですから!
人+人、昨日+今日、自然+人間、日本+外国・・・
人生が素敵な足し算となりますように。。。
参考文献
『新選 国語辞典』 金田一京助・佐伯梅友・大石初太郎 編 小学館
1年間、読んで下さりありがとうございました。
またお会い出来る日まで。。。
しばらくは、こちらのサイトで書いています。
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鈴木 麻奈美 【日本舞踊藤間流名取・NOSSインストラクター】
記事テーマ
グローバル時代において、和の精神、和の文化を持つことは、これから世界で活躍されるであろうお子さまたちの心のよりどころとなるでしょう。3年半のアメリカ暮らしで気付いた和の魅力、日々の暮らしの中にある和の素敵をお伝えしていきます。あなたの気付きとなりますように。お子さまたちの和のスマイルを育む毎日につながりますように。