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こどもの日/2014年5月

端午の節句

001.JPG5月5日は『端午の節句』五月人形や兜を出し、鯉のぼりを立て、菖蒲を飾り、柏餅やちまきを食べてお祝いしますよね。それぞれには、どんな云われがあり、先人のどんな思いがこめられているのでしょうか?

 

 

 

 

 

『五月人形・兜』

 中国から伝わった端午の節句は、まず宮廷行事として取り上げられ、後に武家社会となるにいたって、封建社会において男子の誕生を重んじ、男の子の節句として、力強い象徴の武者人形や兜が飾られるようになりました。

『菖蒲』

 旧暦の5月はちょうど梅雨入りの頃で湿度が高く疫病や害虫も発生しやすかったため、強い香りで、病気や魔物を祓う力があると信じられていた菖蒲を軒や髪にさしたり、お風呂や枕に入れたりしました。また『菖蒲刀』や『菖蒲たたき』など遊びとしても取り込んでいました。菖蒲の根茎には健胃、利尿、鎮痛の作用があり、菖蒲湯は体を温め腰痛や痛風に効き目ががあるそうで、医学的にも効果がありました。この時期に欠かせないものであった菖蒲は『尚武(武道を重んじる)』や『勝負』に通じるところから、男の子の節句として結びついたそうです。

『鯉のぼり』

DSCF1549.JPG

 竜門(黄河の中流の急流)で、いろいろな魚が群れとなしてさかのぼってくる中、鯉だけが滝を登りきって竜になるという中国の故事から、立身出世のシンボルとされました。男子の出世を祈る思いが込められているのですね。

『柏餅』

 柏の木は新芽が出ない限り古い葉が落ちないので家計が絶えないという縁起をかついで、柏の葉に包んだ柏餅を食べるようになりました。

『ちまき』

 食べれば毒虫に刺されない。免疫を作り、悪病災難を除くといわれています。

休む日

5月5日は、とかく男の子の節句として根付いてきた行事ですが、もともとはその日は、『女の日』であったそうです。

五月は田植えの月で、田の神を迎えて祀る日。田植えにともなう物忌みの時期であり、女性が家にこもって神を祀りました。そんな女性たちが重要な農業の作業を前に豊作を祈って身を慎み清める日であり、ゆっくり休養をとっておく日であったそうです。

そう。昔は現在の祝日にあたる祭りの日はハレの日といい、ハレ着を着て、ハレの食事をしたのです。

休みの日に勝手に仕事することは神事をおろそかにすることであり、休むべき日に働くのは働く日に休むことと同じ意味を持ったとされています。

休む日は身を慎しみ、清める日。仕事を休むハレの日として年中行事の日となり、

国民の祝日に定着していったということでしょう。

世のお父さん、仕事をしっかり休むのも、先人の思いやならわしの大切な伝承です。

国民の祝日に関する法律より

                           

DSCF1573.JPGのサムネール画像取り出したる『六法全書』。

5月3日は『憲法記念日』でもあるので、ちょっと開けてみましょう!

「国民の祝日に関する法律

第1条【意義】

自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを『国民の祝日』と名づける。」

とあります。そして、第2条の内容には、

「こどもの日  五月五日

   こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」

と書かれています。

 

母に感謝する・・・こどもの日にそんな一節が入っていることはご存じだったでしょうか?

『こどもの日』は同時に母への感謝する日であることが法律によって謳われているのです。なのに、5月の第2日曜日の『母の日』の方が断然、知名度高いですよね。

命がけで生んだ母親あってのこどもの日ということでしょう。その誕生と成長の祝いの日には、母への感謝がきりはなせないものなのです。

そして同時に母でもある私たちは、子どもに感謝することを強いるのではなく、母親に成らせていただいたことに感謝して、母親としての責任や自覚を持つ日にしなければと思います。

5月の第2日曜のカーネーションに恥じぬよう・・・、威張りおごらず、

母への感謝、また母であることへの感謝を胸に『こどもの日』を祝いたいです。

DSCF1576.JPGのサムネール画像

Information/お知らせ

引用

  『六法全書』 平成26年版 Ⅰ 有斐閣

参考文献

  『暮らしの伝承』 蒲田春樹著  朱鷺書房

  『子どもに教える 今日はどんな日?』 高橋司著 PHP研究所

  『年中行事・豆知識』 吉沢久子 日東書院

Mama's profile/プロフィール

鈴木 麻奈美

鈴木 麻奈美 【日本舞踊藤間流名取・NOSSインストラクター】

記事テーマ

和の魅力

グローバル時代において、和の精神、和の文化を持つことは、これから世界で活躍されるであろうお子さまたちの心のよりどころとなるでしょう。3年半のアメリカ暮らしで気付いた和の魅力、日々の暮らしの中にある和の素敵をお伝えしていきます。あなたの気付きとなりますように。お子さまたちの和のスマイルを育む毎日につながりますように。

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