幼少の頃、『こんにちは』『ありがとう』『ごめんなさい』とペコッとお辞儀を教えられたのを最初に、私たちはいろんなシーンでお辞儀をしてきましたよね。
学校では授業の始まり終わりに、部活の先輩に、先生に叱られて、入学式や卒業式で、天の神様、仏様にも・・・。もちろん大人になってからも、ますます、お辞儀のシーンは続きます。
そう、私たち日本人にとってお辞儀は習慣であり儀礼であり心の表れであり、子どもの頃から自然と身につけてきたものです。
お辞儀には立礼と座礼があり、そのやり方は『会釈』『敬礼』『最敬礼』と分類され、頭を下げる角度は・・・という話は、ここではおいておいて、今回はお辞儀の心に触れてみましょう。
サッカー日本代表でありイタリアの名門インテル所属の長友佑都選手のお辞儀は、ホント、素敵ですよね。今年の始めごろフジテレビの番組で彼のお辞儀特集をやっていました。
それは彼の影響でインテルの選手のみならず、ミラノっ子にもお辞儀が浸透しているといったものでした。それはただ日本人を真似ただけではなく、『感謝・挨拶・リスペクト(敬意)』という意味を正しく理解しているようでした。そこにはかつてのペコペコと頭を下げる滑稽に描かれた日本人ではなく、日本人への敬意、美徳、憧れに溢れていました。
特集は『ニッポンの心が持つ美しさにきちんと胸をはること、それが世界の人々に確実に届く』と結んでいました。
私ごとですが、数年前の3年半ほどアメリカで過ごしました。
当初、アメリカでの挨拶はハグや握手がかっこいいと信じていた私は、お辞儀はやはり滑稽で媚びているように思われるのでは・・・と自分の中で封印していました。
しかしそんな私が帰国する時のこと。
お世話になったアメリカ人を前に、伝えきれない感謝の気持ちを込めて、深々とお辞儀をしていました。何だかわからないけど衝動的に・・・。
でも今はその理由がわかります。
そうだ自分の中の和の心がそうさせたのだと・・・。
心の表れがお辞儀をすることだったんです。
そうすることが、どんなに強い握手やハグより、つたない英語より、相手に届く何よりの表現手段だと信じていたからです。
感謝、お詫び、敬意、挨拶、そこに日本人の誇りもプラスして、子どもたちにしっかり伝えていければいいですね。
そして、7年後のオリンピック、美しいお辞儀で世界の人々を迎えたいですね!
鈴木 麻奈美 【日本舞踊藤間流名取・NOSSインストラクター】
記事テーマ
グローバル時代において、和の精神、和の文化を持つことは、これから世界で活躍されるであろうお子さまたちの心のよりどころとなるでしょう。3年半のアメリカ暮らしで気付いた和の魅力、日々の暮らしの中にある和の素敵をお伝えしていきます。あなたの気付きとなりますように。お子さまたちの和のスマイルを育む毎日につながりますように。