某番組で、アロマが認知症にいいとの紹介があってからというもの、アロマオイルが軒並み姿を消してしまった、という状況になっています。もちろん、私のところにも問い合わせが結構きましたが、メディアの影響ってすごいですねー。猫も杓子もアロマオイル状態です。
私たちアロマ業界に15年いる者からすると、アロマが認知症予防になるというのは周知の事実。しかも、新聞や雑誌などではたまに取り上げられてるぐらいですので、知る人は知っていたことですが、やはりテレビというのは、他のメディアとは比較にならないのですねー。恐ろしや~、という感じです。
さて、アロマに効果があるのを知ってもらえるのはとても嬉しいことなのですが、あの番組だけでアロマを全く知らない人が、使い始めるのは少し気になるところであります。
例えば、気分転換ぐらいの気持ちで香りを嗅ぐのと、認知症予防という目的で嗅ぐのとでは、モチベーションがだいぶ異なりますので、アロマの使い過ぎも出てくるのではと懸念しています。とかく、初心者の方は、たくさん量を使えば効果が高まる、と思いがちなのですが、アロマにおいてはそうではありません。適量というのがあります。しかも、香りがきつすぎると逆効果になりますので、ほのかに香る程度にしておいてほしいと思います。
今回の認知症関連の話においても、嗅ぐことが脳にとって影響がある、ということになっていますが、私たちアロマ心理学分野は、まさに嗅ぐことによって心理効果を得ようとする方法です。認知症の場合は、脳神経系に影響を与える方法ですが、アロマ心理学は、本能に影響を与えて、気持や行動を変えていく方法論なのです。つまり、嗅覚の仕組みをうまく利用すると心身にかなり良い影響を与えることができるということです。嗅ぐ行為は、私たちの生体にとって、安全か危険かを見極める本能的な行為です。例えば、食べ物が腐ってるかどうかも匂いで嗅ぎ分けますし、人体に有害なガスなども臭いでしか察知できません。
また、嗅覚は生き延びるための感情と結びついていて、行動を制御しています。例えば、危険な状況に直面した時、恐いという感情が生まれ、すぐさまその場から逃げる、という行動に出られますよね。逆に言うと、好きという気持ちは、近づきたいという接触行動の元になって、これは本能でいう命をつないでいくという生殖活動のきっかけとなるのです。
このようにアロマは、身体の調子を整えたり、病気の予防をしたり、心の状態を変えたり、さまざまな効果が期待できます。それは、やはり、香りを嗅ぐという人間の本能に直結する行為を通して行われるからなのです。アロマ、奥が深いでしょう!
これまでの過去記事を見て頂いたりして、今日からアロマを生活に取り入れてみてくださいね、認知症予防以外にもたくさんメリットがありますから。
小池 明子 【アロマ心理カウンセラー】
記事テーマ
アロマテラピーのジャンルのひとつにアロマ心理学を使ったメンタルケアがあります。 このコラムでは、ママがイキイキとした生活を送るための心理学的なアドバイスと心理効果の高いアロマを取り入れる方法をご紹介します!疲れた時、元気を出したい時、癒されたい時など、自分の気持ちや心にぴったりのアロマを見つけて楽しい毎日を送ってください。