アロマテラピーは香り(主に植物の精油)を様々な方法で体に用いて、人間本来のもつ免疫力、自然治癒力を高め、心身のバランスを保ちながら健康維持、増進をしようとする療法ですが、アロマコロジー(芳香心理学)という言葉は聞いたことありますか?
アロマコロジーは、香りを嗅ぐことによる安らぎやストレス緩和といった心理的作用を目的としています。
アロマコロジーは、もとはというとアメリカの香料業界で生まれた言葉です。香りがもたらす心理効果を研究し、心をコントロールするために香水などのフレグランスをプロモーションしていくために始まったそうです。このアロマコロジーは、アロマテラピーのようにトリートメントという手法は使わず、香りを嗅ぐというスタイルでもたらせる心理効果に重点を置いています。アロマテラピーは日本でも広まってきましたが、どちらかというと医療面での治療効果に偏っています。アロマコロジーは、その治療目的に偏りすぎないために、香りのもつ心理効果を重点的に置きましょう、と提案しているのです。
私はもともとアロマテラピーのスクールをやっていたので、どちらかというと薬理効果(薬効を求める立場)でした。トリートメントの効果についても、エッセンシャルオイルを経皮吸収させて、例えば血流を促進する、リンパの流れを良くする、痛みを緩和する、、、などと教えていました。でも、アロマ心理学を提唱するようになって改めて考えてみると、エッセンシャルオイルは、日本においては、雑貨として売られています。それを治療に使い効果を謳っていいものかと思うようになりました。
アロマ=芳香の一番のメリットは、いい香りを嗅いでリラックスすることです。そして、肩の力が抜け、幸せ感を実感することだと思うのです。そこに、治療の意味合いを持たせると少し行き過ぎる部分も出てくるのかなと思います。私は、そのいい香りを嗅いでリラックスを、もっと掘り下げて、ひとりひとりのリラックスの形を見つけてあげればいいのではと思っています。それが私の提唱しているアロマ心理学のスタイルです。アロマコロジーとの共通点はいっぱいあるなと思っています。
香りを嗅ぐと体にどのような変化が起きるか、、、。それを科学的に分析し、嗅ぐ行為で人や癒されることを証明していくことが、アロマ心理学の今後の課題だと思っています。嗅ぐだけでいいなんて、簡単すぎてほんとにそんなのでいいの?と思われるかもしれませんが、現代人は意外と嗅ぐ行為を忘れがちです。意識的に嗅ぐのはエネルギーが少し必要かもしれませんね。嗅ぐことによる心理効果の研究はまだまだこれからです。みなさんもご興味あるかと思いますので、今後のアロマ心理学の方向性に期待してください。まずは、みなさんもいい香りは毎日くんくん嗅いでリラックスを実践してみてくださいね。
小池 明子 【アロマ心理カウンセラー】
記事テーマ
アロマテラピーのジャンルのひとつにアロマ心理学を使ったメンタルケアがあります。 このコラムでは、ママがイキイキとした生活を送るための心理学的なアドバイスと心理効果の高いアロマを取り入れる方法をご紹介します!疲れた時、元気を出したい時、癒されたい時など、自分の気持ちや心にぴったりのアロマを見つけて楽しい毎日を送ってください。