今まで、一年間にわたり、「算数好きの子どもを育てるための」さまざまな方法を書いてまいりました。算数好きの子どもにするには、やはり、小さいときの環境つくりがもっとも大切であること、そのためには、身の周りのもので、数に親しむこと・・・
でも、それをどうやってすればいいか、わからないのです・・・
そんなお母様の言葉にお応えして、これから一か月に一度、算数の勉強法だけでなく、お子様へのアプローチの仕方も書いていこうと思います。
今回は、「使ってはいけない言葉と、使っていい言葉」です。
最近の研究により、子どもに対して話すときに、親が使う言葉の中で、一見とてもいい言葉と思われている言葉のいくつかが、実は、避けるべき言葉である、ということがわかってきました。
よかれ、と思って口にしたのに、逆効果になっては、親子関係がうまくいきませんよね。
気を付けたい言葉をいくつか、ご紹介してみます。
これらの言葉は、一見、「子どもを誉める」という点で、いい言葉のように思えますよね。褒めることはいいのですが、「出来たときだけ」「成績が良かった時だけ」「目的を達成した時だけ」褒められる、という間違った印象を子どもにあたえることにもなりかねません。すると、
簡単なことしかやりたがらない・・・
難しいことにはチャレンジしない・・・
上手くいかないことを恐れる・・・
ことになります。
ですから、「よく頑張ったね」「努力したね」というような言葉をかけてあげましょう。
「努力したこと」に注目することで、努力することは、結果よりもずっと大事なことなのだと教えることができます。そうすれば、子どもたちは難しいことに挑戦する時も粘り強くなり、失敗は次の成功へのステップなのだ、と思うことが出来るようになります。
これも一見、いい言葉のように思いますよね? 問題は、、「いい子」の基準が、子どもと大人で違う・・・というところにあります。だいたい、「いい子」って何でしょう?
親のいうことをなんでも、「はい」と言って聞く子どもでしょうか? 頼んだことをやってくれる子どもでしょうか?
違いますよね。そんなつもりで、「いい子ね」と言っておられるのではない、と思います。
ですが、子どもは、「いい子ね」と褒められると、親に褒められるために行動するようになります。そして、「いい子」でなくなることを恐れるようになります。そうすると、どうすることをすることが「いい子」」なのか、わからなくなます。
ですから、「お友だちにおもちゃを貸してあげて偉かったね」とか、「お手伝いをしてくれてありがとう」というように、具体的な内容を入れてほめてあげましょう。
これは、「ご褒美をあげたら出来るようになるか?」ということですよね。
残念ながら、「報酬を与えるという指導法は、効果がない」という研究結果がたくさん発表されています。報酬のために何かをさせると、その報酬がなくなると、子どもはやらなくなります。
同じように、「~をしなかったら、罰よ」という言葉かけも何ら、子どもの自発的な行動を生み出すものではない、ということが言われています。
子どもにやる気をださせるには、「もっと知りたい」「もっと出来るようになりたい」という子どもの気持ちが一番です。そのためには、それが楽しくてやりがいのあることだ、と子ども自身が感じる必要があるのです。
子どもが何を感じていたのか、何を必要としていたのか、どこがどうしてわからないのか?を理解しようと努めることは、大切なことです。
ただ、この質問はとても難しいものです。この問いかけに直面した子どもの多くは、黙り込んでしまうでしょう。
何も答えない子どもにたいして、根ほり葉ほり聞いてもあまりいいことはありません。少し、落ち着いてから、あの時は、どうしたのかな?と聞いてあげるといいでしょう。
言葉はとても大切なコミュニケーションツールです。
親が上手に言葉を選んで話すことで、親子のコミュニケーションがうまくいくといいな~~、と思います。
ぜひ、お試しくださいね♪
東京・世田谷で、個別指導塾・少人数制算数教室・幼児向けさんすうスクールを開いています。
お母さまへの学習カウンセリング・セミナー・講座も開催しています。
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大迫 ちあき 【算数コーチャー】
記事テーマ
生まれつきの子供の能力に差はありません。「算数って面白い!」「お勉強って楽しい!」とお子様に感じさせてみませんか?大切なのは「環境づくり」です。算数好きの子供に育てたければ、圧倒的に「幼少時」の取り組みが大切です。日々の暮らしの中で、子供たちが「学びを楽しめる基礎力」を付けていく方法をご紹介していきます。