英語の冠詞(a, an, the)は誰もが知っていますね。しかし、きちんと使えますか? 理解していると思っていても、実際に使うとなると上手く使えないのがこの冠詞です。私もアメリカ生活8年目になりますが、未だに冠詞を使いこなすのは苦手。冠詞の使い方を間違うと、大きなミスコミュニケーションを起こしてしまうこともあります。主人と出会った当時、冠詞の間違いですれ違いになり、喧嘩することもよくありました。冠詞は学校の授業でも必ず触れられるのですが、冠詞をテーマに何時間も費やすことはありません。冠詞の使い方や指導は難しいため、詳しい説明をあえて避ける先生も多いと言われます。
まずは、冠詞の基本ルールの復習から。
“a” は特定のものではない単数の名詞の前。>> a cherry
“an”は特定のものではない単数の名詞で、名詞のはじまりが母音のものの前。>> an orange
“the”はある特定のものを指す名詞の前。>> the apple from the firm
ここまではみなさん大丈夫なはずです。問題はここから、、、。
12個入りのコーラ(12 cans of coke)があります。
「コーラを一つちょうだい。」と言うときは“ Can I have a coke?”となりますが、
「そのへこみ傷のついたコーラをちょうだい。」と言うときはどうなるでしょうか? 下の(A)〜(D)の中から選んでみて下さい。
(A) Can I have “a” coke with “the” dent in “the” can?
(B) Can I have ”the” coke with “the” dent in “the” can?
(C) Can I have “the” coke with “a” dent in “the” can?
(D) Can I have “the” coke with “the” dent in “a” can?
正解は
(B) Can I have ”the” coke with “the” dent in “the” can?
このレベルになると、難しくなりますよね。
コーラの場合は、缶のコーラでもグラスのコーラでも“a coke”と“a”をつけることができます。
例えばレストランで“What would you like to drink(お飲物は何になさいますか)?”と尋ねられたとき”Can I have “a” coke(コーラもらえますか)?”と答えます。
でも同じ液体である牛乳の場合は、
“Can I have some milk?”となり、”Can I have a milk?”とは言いません。
上の例で実感してもらえると思いますが、冠詞はルールを知っているだけでは使いこなすのは難しいものです。冠詞に限らず、文法のルールや単語を暗記し、テストで高得点をとるための学習法だけでは、英語でスムーズなコミュニケーションがとれるようにはなりません。英語習得には、自然な英語に沢山触れ、実践的な学習の中で身に付けていくのが大事なのです。お子さんが小さなうちから、英検などのテスト結果をあまり重視して、プレッシャーを掛けすぎないようにしましょう。テストで測れないものがあることを理解し、お子さんの成長を長い目で見守ってあげてくださいね。
小さなお子さんの英語学習でも、冠詞を軽視しないで欲しいと思います。小さな頃から、冠詞を含んだ文章のリズムに慣れることが大切です。早期英語教育に取り組んでおられるご家庭では、英語の絵本を楽しむことも多いでしょう。何度も同じ絵本を読んでいるうちに、子どもたちは内容を自然と覚え、暗唱するようになりますね。そんなとき、冠詞が抜けてしまっていないか、しっかり聞いていてあげて下さい。冠詞を含んだ文章のリズムに親しむことで、将来、『ここに“the”が入らないとおかしいな?』と自然に気づけるようになることもあると思いますよ。
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バーコム 麻衣子 【週1回の北米オンライン留学『MAIS LEARNING』主宰】
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学校の英語の成績は『5』、だけど実際には英語が使えない。--どうして? 英語が話せて当然の時代を直前に、子どもの英語教育への興味は増す一方、不安や疑問も多いですよね。英語教育への理解を深め、将来本当に使える英語習得のためのポイントを、一人のママとして、英語講師として、お伝えします。お家で楽しく英語を学ぶアイディアも盛り沢山。