先日、幼少期に第二言語を習得することは、その子の心理的発達に大きなプラスになるという記事を目にしました。早期英語教育のプラス点は沢山ありますが、英語を学ぶ理由をしっかり理解できない小さな子どもたちが英語学習を続けて行くのはとても大変なこと。毎日コツコツ、子どもたちの興味のあるところから学習をはじめます。しかしそうは言っても、決して簡単なことではありません。「共働きで忙しく、なかなか一緒に英語をお勉強してあげることができません。どうしたらよいでしょうか?」と親御さんに良く質問されます。それに対する私の答えはこうです。「忙しくても、英語に触れる時間はいくらでもつくれます!」
私は2、3歳の小さなお子さんでも、きちんと椅子に座ってお勉強する癖をつけることはとても大事だと思っています。1日5分でも10分でもいいので、子どもたちが自分の席で、お絵描きなり、絵本の朗読なりをする習慣をつけてください。お母さんのお膝ではなく、自分の席にしっかり座ってやることが、自律学習の第一歩。上手に出来たら自分自身の頑張りのお陰、間違ったときも自分のせいで、お父さんやお母さんのせいにすることはできません。その喜びや悔しさをしっかり感じることができるようになることが、本当の『学び』の第一歩だと思います。でも、一日に何度も机に向かって学習するのは、小さなお子さんには難しいこと。子どもたちの普段の生活のスケジュールの中に、上手に英語時間を入れてあげます。そしてその際、子どもたちの興味を大事にしながら教えてあげて下さい。では、「色」テーマに、一緒に考えてみましょう。
例)
1)保育園までの車内で。
毎日の保育園までの送り迎え中、どんな会話をしていますか? その日にやったことを子どもたちに尋ねたり、CDで童謡を聞かせたり、いろいろあると思います。そんな時間に、英語を取り入れてみては如何でしょうか? 信号機を見て英語で色を確認したり、看板やお家の色について話してみたり、やれることは沢山あります。毎日通る道なので、何度かその道のりで色のお勉強をすると、子どもたちはあっという間に覚えてくれるはずです。
2)食べ物を使って。
食事は毎日必ずとります。一緒に食材を買いに行ったり、子どもたちにお料理のお手伝いをしてもらうこともあるかもしれません。私の2歳半の娘も、キッチンでお手伝いしたくてしょうがないようで、玩具のナイフで冷蔵庫から自分で取り出した人参を必死に切っていることも。そんな娘に、「その人参何色?」と聞くと、「赤」と答えるときもあれば「オレンジ」の時もあります。たまには「茶色」や「黄色」だったりします。同じ人参でも、部位、種類、収穫時期などによって色が微妙に変わってきますよね。そんな色についてお話しするのも、子どもたちは大好きです。
3)大好きなお風呂で。
お風呂が嫌いというお子さんはあまりいないのではないでしょうか? お父さんやお母さん、兄弟とのお風呂の時間は、多くの子どもたちにとって楽しみな時間です。子どもたちの心が明るい時間に上手に学習を取り入れると、とても効果的ですよ。いつも出来ないことや嫌いなことも、挑戦してくれるかもしれません。お風呂のタイルの色を英語で確認したり、お風呂で遊ぶ玩具の色を言ってみるのもいいでしょう。アメリカには、お風呂の水の色を変えるドロップや、お風呂専用の絵の具やクレヨンも沢山出ています。是非探してみてくださいね。お誕生日プレゼントなんかにも喜ばれます。
4)下の子の授乳中に。
これ、私が今実践しているものです。私には娘が二人で、下の子は4ヵ月。数時間おきに授乳の時間がやってきますが、その授乳の間は手が塞がって何もできません。なので、授乳中は上の娘に本を読む時間にしています。娘が自分で本を持ってきて、「次のページ」と言うとページをめくってくれます。こうすることで、毎回の授乳時にやらなかったとしても、一日に最低4、5冊は簡単に読んでしまいます。下の子の授乳時間が、上のお子さんの好きな時間になるといいですよね。英語の絵本が無い方は、日本語の絵本を使って英語の色のお話をしても大丈夫。子どもたちのお気に入りの一冊を、英語学習という視点から使ってみてください。
子どもたちが日本語の社会で英語を身につけるのは簡単なことではありません。しかし、その子どもたちを見守る周囲の人々のちょっとした知識やアイディアが、子どもたちの大きな支えとなります。諦めずに、同じように頑張るみなさんとコミュニティーを作りながら、助け合っていきましょう。
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バーコム 麻衣子 【週1回の北米オンライン留学『MAIS LEARNING』主宰】
記事テーマ
学校の英語の成績は『5』、だけど実際には英語が使えない。--どうして? 英語が話せて当然の時代を直前に、子どもの英語教育への興味は増す一方、不安や疑問も多いですよね。英語教育への理解を深め、将来本当に使える英語習得のためのポイントを、一人のママとして、英語講師として、お伝えします。お家で楽しく英語を学ぶアイディアも盛り沢山。