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英単語の発音を学んだとき、みなさんは聞いた『音』をどのようにメモしていますか？　「あっ、こういう風に発音するんだ！」と思いながら英単語の下にメモるのは、やっぱり『カタカナ』という人が多いのではないでしょうか？　みなさんはどうですか？　お子さんに発音を教える時も、『ひらがな』で読み方をふってあげる方も多いかもしれませんね。でもそれでいいのでしょうか？　少し一緒に考えてみましょう。

みなさん英語辞書を引いた時に、音声記号がのっているのを見たことがあると思います。その記号が示す音を認識できるかは別として、ほとんどのみなさんが何度も目にしているはずです。　例えば、appleと引いてみると、その隣に/ˈapəl/というふうに表示さています。

このような音声記号は、国際音声字母（International Phonetic Alphabet=IPA）をもとにしたもので、英語だけでなく、他の言語の音を表記する際にも使われるすぐれものです。辞書によって表記法に少し差は出てくるのですが、基本記号を理解していれば、なんとなく読めるようになってきます。私も音を記録する際は、カタカナではなくこの音声記号を用いています。

英単語にカタカナでフリガナをふって子どもたちに教えることは、果たして良いことなのでしょうか？小さい子どもたち用に、ひらがなで英語の読み方が書かれた英語教材もありますよね。英語の音の日本語表記は、学者や英語指導者の間でも論争が繰り広げられている問題です。私たちの母国語は日本語なのだから、その音を基本に学習するのが妥当だという意見もありますが、やはりそうしてしまうと、日本語の音から逃れられないのではないかと私は思います。しかし、音声記号を使った表記は簡単ではありません。

日本語と英語は、基本的に音のつくりが違います。日本語は『C（子音）＋V（母音)』（例：「か」＝k（子音）＋ a（母音））で常に成り立っていますが、英語は子音が大きな割合を占めます。なので、英語の”apple”にアップルと読みをふってしまうと、どうしても英語にない母音の音が入り込み、ネイティブの音からはずれてしまうのです。ですので私は、子どもたちの英語学習をサポートするお母様方に、できるだけカタカナ表記を使わないようお勧めしています。子どもたちには、英語の音はそのまま『英語の音』で理解してもらうように心がけましょう。

上記の理由から、アルファベットで読みをふった英単語を子どもたちに教えたり、子どもたち自身にカタカナで読み方をメモさせるのは、私個人の意見では良くないと思います。それよりも、オンライン辞書で単語を引き音声記号を見ながら音を聞いたり、CDつきの絵本を活用することで、本物の英語の音を身につけるべきです。音声記号がわかるようになると、初めて学ぶ単語でも記号を見て音を頭の中にイメージできるようになるため、英語習得には欠かせない自立学習がし易くなります。

音声記号、今後少し注意して見てみてくださいね。

＊＊参考文献

今仲昌宏（2003）「英語音声指導による音声表記（２）」