日本人の英語が通じない大きな理由の一つにあげられるのが『発音』です。英語の読み書きは良くできる日本人ですが、実際に話そうとすると上手く行かないのはその発音のせい。日本の英語教育の中で、発音指導が軽視されているのが現状です。発音指導者の養成と、発音習得度を数字化し点数であらわすことが困難であることが、発音指導の発展そして拡大の妨げになっていると言えるのではないでしょうか?
子どもたちに「英語のアルファベットの『音』知ってる?」と尋ねると決まって、「知ってるよ!エー、ビー、シー 、、、。」と答えてくれます。だけど、知っているのはアルファベットの『名前』であって『音』ではありません。アルファベットには『名前』と『音』がありますが、日本の学校でアルファベットの音の指導、フォニックスの指導をしているところはまだまだ少ないです。フォニックスの知識があると、知らない単語が読めたり、聞き取った単語を書き取ることが簡単にできるようになります。私も学生時代、英語の単語のテストのために必死で暗記したのを覚えていますが、フォニックスを知っていたらどんなに楽だったかと今になって思います。
英語の『発音』と一言で言っても奥が深く、各文字レベルでの発音、複数の文字が組合わさっての発音、単語レベルでの発音、文章レベルでの発音といろいろ。単語レベルで上手な発音ができても、リズムやイントネーションの理解が大切となる文章レベルでの発音ができなければ、コミュニケーションに支障がでます。『発音』とは、英語学習の上で無視してはならないとっても大事なものなのです。そして第一回の記事でも述べたように、赤ちゃんは自然に発音をマスターする力をもっています。ですので、早いうちからお家で英語の音に触れさせてあげましょう。
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<文字レベルの発音練習法~鏡よ鏡~>
必要なもの:
手鏡
アルファベットの音には、『鼻』から息を出して発する音と、『口』から息を出して発する音があります。n(/n/) は鼻から息を出す音の一つで、l(/l/)は口から息を出す音の一つです。
ステップ ①:
手鏡が鼻の下にくるように持ちます。このとき鏡が上にくるようにして下さい。
ステップ ②:
n(/n/) の発音をします。正しく鼻から息を出して発音できていれば、鏡が曇っているはずです。
ステップ ③:
l(/l/)の発音も試してみて下さい。この音は口から息が出るはずなので、鏡が曇ってはいけません。
★特にl(/l/)は日本人が苦手とする音の一つなので、この練習法を早くから活用してみると良いかもしれません。子どもと一緒に鏡が「曇った!」「曇らなかった!」と騒ぎながら、遊び感覚で学べるはずです。
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<文章レベルの発音練習法 ~ミラーリング~>
必要なもの:
英語のDVD(アニメのキャラクターがでてくるものではなく、英語を母国語とする人が出てくるものを用意して下さい。英語のDVDを持っていない方は、インターネットでビデオを探すと無料のものが沢山ありますよ。)
ステップ ①:
DVDを再生し、人がジェスチャー付きで英語を話している場面を探します。
ステップ ②:
まずはその場面を何度か繰り返し再生し、話されている英文を耳に馴染ませてください。
ステップ ③:
その後、子どもたちと一緒に、DVDから流れてくる英文のすぐ後をつけてリピートします。その際、リズムやイントネーションだけでなく、話している人の表情やボディーランゲージも真似してみましょう。教科書を読むだけでは身に付きにくい、英語を話す文化や気持ちの表現法が自然に身に付くでしょう。
★大人の私たちより、子どもたちの方が上手だったりします。ノリノリで真似する子どもたちに負けないよう、パパ*ママも本気で臨んでください。
アメリカの絵本の代表作の一つに、ドクター・スースのシリーズがあります。ドクター・スースの作品は、英語の音とリズムが楽しめることで有名です。日本人の私たちが読むと、英語の早口言葉を言っているようで難しいので、CD付きのものを購入したり、インターネットでビデオを探してみることをお勧めします。
子どもたちと、英語の音やリズムを全身で感じながら遊んで下さいね。
<参考著書>
Celce-Murcia, M., Brinton, M. D., Goodwin, M. J., & Griner, B. (2010). TEACHING PRONOUNCIATION (2 ed.). New York, NY, US: Cambridge University Press.
週1回の北米オンライン留学|メイズラーニングの詳細は→https://www.maislearning.com/
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バーコム 麻衣子 【週1回の北米オンライン留学『MAIS LEARNING』主宰】
記事テーマ
学校の英語の成績は『5』、だけど実際には英語が使えない。--どうして? 英語が話せて当然の時代を直前に、子どもの英語教育への興味は増す一方、不安や疑問も多いですよね。英語教育への理解を深め、将来本当に使える英語習得のためのポイントを、一人のママとして、英語講師として、お伝えします。お家で楽しく英語を学ぶアイディアも盛り沢山。