これまで二回に渡って誤飲の具体例を紹介してきました。このようなトラブルを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか?
子どもとペットが一緒にいるときは、目を離さないようにしましょう。誤飲だけでなく、お互いの怪我などを防ぐためにも大事なことです。もし子どもが悪気なくペットの毛をひっぱったとき、いつもは我慢しているペットが、我慢の限界を超えて、咬みついてしまうかも知れません。
子どもがとても小さいうちは、ペットが誤飲を起こすような大きさのおもちゃでは遊ばないため、ある意味、安全かもしれません。子ども自身に分別がついて、子どもの誤飲の危険性がなくなった頃が要注意です。小さな部品のあるおもちゃで遊ぶときや、食事中は、ペットはケージに入れて隔離しましょう。閉じ込めるのがかわいそうと思われるかもしれませんが、誤飲して動物病院で治療するほうがずっとかわいそうですよね。
子どもがお片づけができるようになってきたら、ペットが食べてしまったら危険だということを、きちんと説明しましょう。子どもにとってもペットは大事な家族の一員。その健康を守るために、というお片づけの名目が一つ増えますね。ゴミ箱の中のゴミをいたずらするペットもいます。蓋つきのゴミ箱を使用したり、ペットがアクセスできないところにゴミ箱を置くようにしましょう。
飼い主の留守中に誤飲するペットもいます。誤飲の事実を知らなければ、根本的な治療ができずに、原因不明の体調不良としての対症療法しかできません。中には、薬や農薬、殺虫剤など、中毒の危険性があるものもあり、何を食べたかわからないと、治療が後手後手になることもあります。お留守番のときは、ペットをケージに入れておきましょう。
小田 寿美子 【獣医師】
記事テーマ
犬猫をはじめ、うさぎやハムスター、小鳥など、家族の一員として、また子どもの情操教育のために、ペットは日本の家庭にも欠かせない存在になってきています。ペットのいる暮らしに関するさまざまな疑問、メリットやデメリットについて、専門的な立場から連載していきます。ペットの問題行動カウンセラーとしても活躍する、筆者ならではの多彩な視点から述べます。