江崎グリコのメンタルバランスチョコレートGABAをご存知でしょうか?チョコレートを食べて「ほっ」とした経験はありませんか?
現在、注目されているのが、チョコレートやココアの原料カカオに含まれるGABA(ギャバ)という成分です。GABAは正式名称をγ(ガンマ)- アミノ酪酸という、アミノ酸の一種です。英語のGamma-Amino Butyric Acidの頭文字を取り、一般にGABA(ギャバ)と略称されています。
GABAは発芽玄米に多く含まれる、健康に役立つ成分としてよく知られていますが、チョコレートにも多く含まれていることが研究の結果、明らかになっています。 |
出典:http://www.ezaki-glico.net/gaba/gaba.html
GABAが神経のGABA受容体に作用すると、脳内の不安シグナルが抑制されます。このGABAチョコと似た作用を持つサプリメントが犬猫用に販売されています。カゼインが加水分解されたペプチドの一種であるα-カソゼピンを主成分とするジルケーンです。こちらもGABA受容体に作用して抗不安作用を示すことがわかっています。飲ませやすいカプセル剤で、カプセルを開けて中の粉だけを飲ませることも可能です。
今春、動物病院専用の療法食の分野で画期的な商品が発売されました。それが、ヒルズ社製のc/dマルチケアコンフォートです。猫はストレスによって膀胱炎を発症することがあり、そのために開発されたフードです。
前述のα-カソゼピンに加えて、トリプトファンも配合されています。トリプトファンは必須アミノ酸で神経伝達物質のセロトニンに変換されます。セロトニンの大部分は消化器系に存在し、消化管運動の調節に関与していますが、一部は中枢神経系に存在して、その濃度が増えると、幸福感や不安の軽減につながることがわかっています。このフードの給餌によってストレスが関与していると考えられる特発性膀胱炎の発症が減少したという報告があります。療法食の中には給餌期間が制限されているものもありますが、このc/dマルチケアコンフォートはずっと給餌可能な栄養バランスです。
筆者はストレスに弱い猫、あるいはストレスが多い生活(たとえば子どもの存在など)を送る猫に食べさせることで、手軽にストレスを緩和できるのではないかと考えています。もちろん以前ご紹介したストレス対策も必要不可欠です。
参考:http://www.hills.co.jp/pd/products/cat/detail/c.shtml?_ga=1.162580348.1345446576.1404859412
病気になってから初めて気づくのですが、猫は犬よりも投薬が大変です。鋭い犬歯があるために、直接口をあけて錠剤を飲ませるのは至難の業です。粉薬にして水に溶かして口に入れても、よだれとともに出してしまいます。フードに混ぜても敏感に察知して残してしまいます。時には、混ぜたフードそのものを嫌いになってしまい、薬を混ぜなくても食べなくなってしまいます。
フードの好き嫌いという問題がありますが、c/dマルチケアコンフォートを食べることで、不安を和らげることができるのであれば、とてもいいと思います。
アカチャンホンポなどで配布されるフリーペーパー赤ちゃんBonjour ach7月号に記事が掲載されました。
http://akabon-ach.com/ach/book/201407/_SWF_Window.html
第三回パピーパーティー開催決定!
http://noah-animal-hospital.jp/publics/index/22/
【出展】
http://www.ezaki-glico.net/gaba/gaba.html
【参考】
http://www.hills.co.jp/pd/products/cat/detail/c.shtml?_ga=1.162580348.1345446576.1404859412
小田 寿美子 【獣医師】
記事テーマ
犬猫をはじめ、うさぎやハムスター、小鳥など、家族の一員として、また子どもの情操教育のために、ペットは日本の家庭にも欠かせない存在になってきています。ペットのいる暮らしに関するさまざまな疑問、メリットやデメリットについて、専門的な立場から連載していきます。ペットの問題行動カウンセラーとしても活躍する、筆者ならではの多彩な視点から述べます。