有名なねこふんじゃったの歌にもあるように、猫は攻撃の一環として、また驚いたりしても、すぐに手が出てひっかく動物です。
それがきっかけとなって、病気になることがあります。
これが、猫ひっかき病です。
バルトネラ ヘンセレという細菌に感染して起きる病気です。
日本の飼い猫の8.8%が抗体陽性、つまり、この細菌に感染したことがあるといわれています。
猫に咬まれたり、なめられたり、ひっかかれたり、また感染した猫を吸血したネコノミが媒介して人に感染します。
感染して約2週間後に、リンパ節が腫れ、痛みを伴います。
数日から数ヵ月続きます。
他には、倦怠感(40%)、発熱(26%)、発疹(4%)、頭痛や咽頭痛などの症状があります。
重症化することは少ないのですが、再発した例もあります。
猫はほとんど症状を示しません。
治療には抗生物質が有効です。
予防としては、ネコノミの駆除と、猫にひっかかれないように、猫を驚かさないこと(ふんづけるのはもちろんご法度です)、爪を短く切っておくこと、
咬まれないように、人の手足を使って遊ばないで、猫用のおもちゃのターゲットになります。
猫に合ったおもちゃで十分に遊んであげることで、
遊びの一環として人が攻撃されるのを防ぐことができます。
ねこふんじゃったの歌詞
小田 寿美子 【獣医師】
記事テーマ
犬猫をはじめ、うさぎやハムスター、小鳥など、家族の一員として、また子どもの情操教育のために、ペットは日本の家庭にも欠かせない存在になってきています。ペットのいる暮らしに関するさまざまな疑問、メリットやデメリットについて、専門的な立場から連載していきます。ペットの問題行動カウンセラーとしても活躍する、筆者ならではの多彩な視点から述べます。