この病気はパスツレラ属の細菌によって起きる感染症です。
病原体は犬の口腔内に約75%、猫の口腔内に約97%、猫の爪に約20%常在します。
そのため、犬猫の咬傷や掻傷(ひっかき傷)による感染が大部分を占めます。
犬は親愛の情を示すために、人の口元をぺろぺろなめることがあります。
また、猫はじゃれたり怒ったりすると、鋭い爪で人の手に傷をつけることがあります。
まれに、生焼けの鶏肉から感染し、食中毒様の症状を示すこともあります。
持病(糖尿病、アルコール性肝障害)や中高年者(40代以降)、
人間の症状は、呼吸器系の感染(約60%)、
創傷の発赤・腫脹・疼痛(化膿は20-40%)、
骨髄炎、外耳炎、敗血症、髄膜炎などです。
咬傷や掻傷後、30分から数時間後に激痛を伴う腫脹と浸出液が生じます。
小田 寿美子 【獣医師】
記事テーマ
犬猫をはじめ、うさぎやハムスター、小鳥など、家族の一員として、また子どもの情操教育のために、ペットは日本の家庭にも欠かせない存在になってきています。ペットのいる暮らしに関するさまざまな疑問、メリットやデメリットについて、専門的な立場から連載していきます。ペットの問題行動カウンセラーとしても活躍する、筆者ならではの多彩な視点から述べます。