元気のもと「ビタミンとミネラル」その1 の続きになります。
今回はミネラルの話です。
ミネラルはビタミンと同様、自動車で例えたとき、車を滑らかにするオイルの働きをするのがミネラル。
私たちの体に欠かせないものです。
現在までの研究では、ミネラルは100種類以上あり、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によりますと、食事で必ず摂らないといけない、
必須ミネラルは13種類。その13種類は 多量ミネラル 微量ミネラルに分けられます。
13種類の必須ミネラルは以下の通りです。
A) カリウム カルシウム ナトリウム リン マグネシウム
B) 鉄 亜鉛 銅 マンガン ヨウ素 セレン クロム モリブデン
Aが多量ミネラル。
多量ミネラルは、人間の体の中に比較的多く存在していて、さらに食事からもしっかり摂らなくてはいけないミネラルです。
Bが微量ミネラルになります。
微量ミネラルは人間の体の中に存在する量が少なく、食事からも微量でよいとされていますが、体内では、重要な働きをしています。
★多量ビタミン ☆微量ビタミンとなります。
★ カルシウム
骨や歯を作る 心臓ななどの筋肉の収縮をスムーズにする
(大豆製品 小魚など)
★ カリウム
ナトリウムと協力して細胞内外液の浸透圧の維持ナトリウムの排泄を促し血圧上昇を防ぐ
(果物、野菜など)
★ ナトリウム
細胞内外の浸透圧に関係したり、神経の刺激伝達など
(食塩として摂取)
★ リン
カルシウムとともに骨や歯を作る
(肉 魚介類 乳製品など)
★ マグネシウム
神経の興奮を鎮め、筋肉の収縮を促す。ビタミンB群と一緒に代謝に関わる。
(大豆 アーモンド ひじきなど)
☆ 鉄
血液を作る。全身に酸素を送る
(レバー 大豆製品 赤みの肉魚)
☆ 亜鉛
細胞の組織や代謝に欠かせない酵素の構成成分。味覚を正常に保つ
(カキやあわび 高野豆腐 ココア 牛肉の赤身)
☆ 銅
鉄の働きを助けヘモグロビンの合成に働く。カドミウム、亜鉛の毒性を弱める
(レバー 豆類)
☆ マンガン
骨や関節を丈夫にする
(多くの食品に含まれ 不足の心配はないといわれます)
☆ ヨウ素
甲状腺ホルモンの構成成分となる。(昆布などの海藻類)
※甲状腺ホルモンは基礎代謝の向上、発育の促進、交感神経の刺激など大切な働きをします
☆ セレン
抗酸化作用を持ち、老化を遅らせる。水銀などの有害金属などの毒素を軽減
(玄米 のり ゴマ カツオ いわし ホタテなど )
☆ クロム
インスリンの補助因子で糖代謝や脂肪代謝に関わる
(野菜 穀物 肉 魚)
☆ モリブデン
鉄の利用を助け貧血を予防する
(豆類 乳製品)
とても大切なミネラル。その中でも 鉄、カルシウム 亜鉛は不足しがちなので積極的に摂っていただきたいミネラルです。
★ 鉄→レバーが代表的ですが、他には、赤身のお肉 カキ シジミ あさりといった貝類、ほうれん草や、マグロやカツオなどの赤身の魚にも豊富。また、ひじき のりなどの海藻 大豆 などに多く含まれています。
野菜の鉄分(非ヘム鉄)はお肉や魚などの鉄分(ヘム鉄)に比べて吸収がよくないので、例えば、ひじきの煮物には少しお肉を入れるなど野菜や海藻は、肉や魚などと一緒に摂ったほうが吸収がいいです。また、鉄分はビタミンC(緑黄色野菜 柑橘類)と摂ると吸収がいいです。
※ビタミンCは吸収の悪い「非ヘム鉄」を吸収されやすいヘム鉄へと変える働きもします。
★ カルシウム→ 精神を安定させる作用があるので、足りなくなるとイライラします。
また、加工食品やインスタント食品に含まれているリン。リンを摂りすぎるとカルシウムの吸収を妨げてしまうので、加工食品などの食べすぎはカルシウム不足になります。(最近の日本人のカルシウム不足は、加工食品の食べすぎとも言われています)
また白砂糖の取りすぎ(特に甘いお菓子など)も、カルシウム不足を招きます。
関連記事はこちらです→http://www.happy-note.com/shine/149/post_6.html
さらに、マグネシウムが足りなくなると、カルシウムを排出させる働きがあるので注意です。
カルシウムは、ビタミンD(しいたけ カツオ いわし など)と一緒に摂ると吸収がいいです。
★亜鉛→ 亜鉛は免疫力を高め、たんぱく質の合成に関わるなど、欠かすことができないミネラルです。
また、美しい髪の毛や爪をつくる際のたんぱく質合成に亜鉛が必要。
亜鉛はデトックス効果もあります。
代表的な食品としてはカキが挙げられます。カキは海のミルクと呼ばれ、栄養が豊富です。また、血液をサラサラにするEPAを含み、さらに、コレステロールを下げる効果が期待できます。
クエン酸とビタミンC、肉、魚などの動物性のたんぱく質と一緒に摂ると吸収がいいです。
思った以上にからだの中でとっても大切な働きをしているビタミンとミネラル。
たんぱく質 脂質 糖質と同じように欠かすことのできない 大切な栄養素です。
でも、あくまで、
ビタミン ミネラルは車で例えたとき自動車を滑らかにするオイルの役割なのです。
自動車本体であるたんぱく質、自動車のガソリンとなる 糖質 脂質 があって
初めてビタミン ミネラルの役割が発揮できるのです。ビタミンミネラルは縁の下の力持ち。
偏った食べ方では自動車はうまく走れません。
いろんな食品から いろんなものを バランスよく摂っていただいて
健康で綺麗で元気ないつもニコニコ笑顔の家族で過ごしましょう。
朝岡 ひろみ 【栄養士、食育指導士】
記事テーマ
栄養士、食育指導士の立場から、これから成長していくお子さんに「食に関する知識」と、「食を選択する力」をつけるためのアドバイスをさせていいただきます。ママが「食」についての知識をもっていただき、お子さんと一緒になって健康な体作りを目指すことでお子さんも元気で、ママはますます健康で綺麗な毎日を送ることにつながります。