「親子で楽しくハッピーえいご時間」と題して、連載をさせていただき、約半年となります。現在までの記事では、乳幼児期のお子様をもつ皆様を対象に、英語教育、英語教材や英語教室について、おすすめの歌や絵本、季節の行事に関して書いてきました。
英語教育は、ともすればお勉強的な意味合いで、机に向かって教科書を読んだり、単語を暗記したりというふうにとられることもあります。
私は、特にお子様が小さいときはママとの絆を大切にしながら、楽しく自然に英語に触れていくということが、これから学校で行う英語学習に大きな影響を及ぼすと考えています。
そしてより多くの子どもたちが気軽に英語に触れ続けていく中で、ただの実のならないお遊び英語ではなく、英語の素地を確実に身につけてほしいと思っております。
今回は乳幼児期を卒業したお子様が、学校でどのような英語教育を受けていくのか、最近の政府の動向などを中心にわかりやすく簡単にお話をしていきたいと思います。
2011年度に学習指導要領が改定されてから、公立小学校において小学校5~6年生で週一回の「外国語活動」が実施されております。
その「外国語活動」として実施されている英語を正式な教科にするという提言が、先日教育再生実行会議から安倍首相に提出されました。小学校4年生以下にも教えることや授業時間の増加なども盛り込まれているようです。
これは現段階であくまでも提言であり、確実に学習指導要領改定に結びつくかは現在ではまだ定かではありませんが、このような提言がなされたことは大きな一歩だったのではないでしょうか。
現在の「外国語活動」においては、学級担任や外国語活動を担当する講師が教えていますが、十分に英語の教え方を学んでいない学級担任が指導している例もあり、現場で模索している先生方も多くいると言われています。
私自身も外国語活動の現場に居合わせたことがありますが、区や市、そして学校の方針によってだれが教えるかが決まり、活動の質もそれによって大きく変わることを実感しました。
今回の提言によって、現場の先生方の意識や周りの環境がどのように変わっていくのか今後も注目すべきでしょう。小学校の英語教育に関しては、また追って別の回の連載でより細かくお話ししようと思います。
<参考文献>
日本経済新聞 (2013年5月16日)
現在は中学校からの義務教育の中で、教科として英語が教えられています。そしてこの時期の英語は高校受験や大学受験と深く関連していくようになり、乳幼児期に学んだ英語と比べると机に向かってのお勉強や暗記といった要素が増えてきます。
そのような勉強をしたけど英語ができるようにならなかった。。。と大人になって思っている方も多いかもしれませんが、基礎的な文法や読み書きを学ぶことも英語学習においては重要になります。それをいかに実社会で使えるようになるか、使える英語と結びつけていくかがポイントとなるでしょう。小学校で英語教育が確立されていくようになれば、それを土台にして、文法などの理論などを学んでいくことができるようになります。
2011年10月に行われたベネッセ教育研究開発センターによる「小・中学校の英語教育に関する調査」の中で、「あなたはなぜ英語を勉強しているのですか?」という質問があります。
その中で一番多い回答として、8割以上の生徒が「英語のテストでいい点を取りたいから」と述べています。(下図参照) 英語は学校でよい成績を上げるために勉強しなければいけない科目になっているようです。
ただ、特筆すべきは、その次に多く答えている回答が、「英語をできるようになるのがうれしいから」という内発的な動機だったり、「英語はこれからの国際社会で必要となるから」と英語を使って社会で生きていく姿を想像して答えているケースもあることから、単に点数をとるだけのものではなくなってきているのではないかと考えられます。
英語のテストでいい点数をとるということ―その先に、英語をツールとして使うことで、自らの可能性が大きく広がっていくということを、中学生たちは少しずつ感じ始めているのではないでしょうか。
Q.あなたが英語を勉強しているのは、どうしてですか。それぞれについてあてはまるものを1つだけ選んで回答してください。
<出典>
小・中学校の英語教育に関する調査 (2011) ベネッセ教育研究開発センター
中学1年生、及びその母親 2,688組へのインターネット調査
今回は、小学校と中学校における英語教育についてお話をしましたが、それでは乳幼児期に英語に触れているとどんなメリットがあるのでしょうか?
英語を使って小さいときからママや友だちとなにかを一緒にした経験があったり、普通に英語に触れていると、英語が義務教育化した後もモチベーションが高いケースが多く見受けられます。
そして英語に対して抵抗感がないこどもたちは、英語を話すのが恥ずかしい、英語を勉強するのは難しそうで苦手だ、といった思いがないため、積極的に英語を吸収しようという思いが強く、それが結果的に英語が好きで、英語が得意というよい循環になります。
英語が好きな子どもたちは、英語をツールとして様々な経験をしていくことになります。そして、それは彼らの人生にとって自分の可能性を切り開いていくものとなるでしょう。
乳幼児期のハッピーえいご時間をベースに、次の世代の子どもたちにはぜひ英語でなにかに挑戦しより実りある人生を歩んでいってほしいと願っています。
次回は、「学校における英語教育について:後編」として、高校と大学における英語の取り組みや最近の政府の動向などについてお話をしていきたいと思います。
少し硬い話になってしまいますが、乳幼児期の英語教育は、もちろんそこで完結するものではなく、その先の公教育における英語での下地となるということをお伝えしたく思い書かせていただいております。
貴重な乳幼児期は、ぜひお子様と一緒に豊かなハッピー英語じかんをぜひお過ごしくださいね♪
いまい ちなつ 【こども英語講師 】
記事テーマ
乳幼児期はママと一緒に楽しんで英語に触れあえる絶好の機会です。遊びが学びのこの時期に、えいご時間を取り入れてみませんか? 英語が苦手なので…英語教育って難しそう…そう思っていらっしゃるママでも、お気軽にこども英語に触れていただくアドバイスやこども英語情報をお届けいたします。親子で一緒に楽しくハッピーえいご時間を過ごしてみましょう!