乗り物にお子様と乗る時に、周囲の方の視線が気になる・・・という声があります。特に、若いママからそんな声が聞こえてきます。先日も、このような内容の取材を受けたところです。周囲の方の視線の先にあるものを3つに絞って今回は考えてみました。
1 ベビーカー
2 泣き声、ぐずり
3 子どもの足のバタバタ
電車で迷惑と感じることというアンケート(「電車内迷惑ランキング」 日本民営鉄道協会より)では、男性、女性ともに上位に、子どもの泣き声、子どもの足癖などが入ってきます。ベビーカーが迷惑と感じるところは男女の差が出ていて、男性よりも女性の方が迷惑と感じているという結果も一例にあります。なぜ、女性の方がベビーカーを迷惑と感じやすいのでしょうか。どうしたらママとして素敵なのかを考えてみようと思います。
混雑している時に、ベビーカーが邪魔だと感じ迷惑という意見が多いようです。まずは、混雑する時間帯を避けるのがベストでしょう。状況に応じてたたむことも必要です。子どもを抱いて、荷物をもって、ベビーカーを支えて・・・揺れる電車では危ないこともあるので、1本遅らせれば少しすいている電車に乗ることができるのなら、1本遅らせて電車を利用するのも1つの方法です。ぜひ、時間にゆとりをもって行動したいものですね。
女性の立場からすると、混雑時のベビーカーには恐怖を感じるという声もあります。女性の腰より下の位置に子どもがくることにより、混雑時電車が揺れて、もし自分がよろけてしまいベビーカーのお子様に当たってしまったり、乗ってしまったらどうしようという恐怖感があるようです。ママになると、子どもを守ることに必死でつい相手の考えを見落としてしまいがちですが、そのような声もあることを知っておくと電車に乗る時の配慮が変わってくるのではないでしょうか。周囲の気配りができるママは、ゆとりがあって素敵に映りますよ。
お出かけ前にお子様の体調をみてあげてください。体調が悪くてぐずってしまうこともあります。つい予定を優先させてしまいがちですが、一度子どもの体調を確認してから外出できたらいいですね。あとは、おもちゃ、お菓子、降りる勇気があるといいですね。
おもちゃは、お子様の好きなもので、大きな音が出ないものを選びましょう。音が出てしまうものは、スピーカー部分にテープなどを貼って音を調整することをお勧めします。おもちゃが、落ちたりしないようクリップでベビーカーなどに結んでおくと便利ですよ。揺れて、混雑している車内で物を落とすと拾うのが困難なケースが多いです。
お菓子は、匂いの少ないものを選びましょう。匂いは自分では気づかないもの。思っている以上に周囲の人は反応します。好みが分かれるものですので、できるだけ少ない匂いがでるものがお勧めです。飛行機の中でも、お菓子ではないのですが、マニキュアをしているお客様の近くの方が座席の移動を申し出られるケースは多々ありました。匂いへの対応までできたらとても素敵だと思います。
どうしても、泣きやまなかったり、ぐずりが止まらない場合は、ママとして到着地に着く前でも「降りる」という判断ができることが必要だと思います。外の空気を吸うことでぐずりが止まることもあるでしょう。話を聞かせることができる年齢なら、降りてお話をすることで子どもにとってもマナーを学ぶ良いきっかけになると思います。もし、また数分後に同じ方面へいく電車がくる環境なら、降りるという判断を持ち合わせておくのもママとしてのマナーだと思います。そのためにも、少し時間のゆとりをもって行動するといいですね。
お子様の足のバタバタ・・・足癖には、「靴カバー」がお勧めです。
以前にも紹介させていただきましたが、電車が少し混雑してきたらすぐにカバーをかぶせてしまえば、子どもが足を動かしても気にしなくてすみますよ。ベビーカーに乗った子どもの足元は、ちょうど立っている人の足のすね部分。靴の汚れがついてしまうと目立つ部分でもあります。靴の汚れが他の方につかないためにも工夫が必要ですね。
公共の乗り物を快適にすごすために大切なことは、周囲の人と笑顔でコミュニケーションをとることです。コミュニケーションといっても、話しかけたりするのではなく、周囲の方へ対する態度、表情を整えるということです。お子様を中心に大人の世界が広がることはよくあります。何かトラブルがあっても、「なぜ・・・」ではなく、「どうしたら・・・」と考えると、前向きな考え方が表情にも現われコミュニケーション上手になれますよ。
お子様がいると視線を感じますが、すべての視線が否定的なものではないはずです。何か、お手伝いはできないかな・・・と、思いながら視線を送ってくださる方もたくさんいらっしゃいます。自分の表情を少し変えることで、周囲の皆様の視線を違って感じることができるかも知れません。ママだから楽しめる乗り物の乗り方をしてみるのはいかがでしょうか。違う世界が広がるきっかけになりますよ。ママには、ママしか感じられない素敵なコミュニケーションがあると信じています。
滝澤 雅子 【マナー講師】
記事テーマ
日本の女性は、特にママのマナーは、世界に誇れるほど気遣いが出来ています。素敵に生活するコツを「知恵袋」としてお伝えしていきます。少しのコツを一緒に学び、日々の生活を美しく変えてみませんか。