今年も間もなく終わりますね。1年間、マナーという切り口からお話しできて、とても嬉しい時間でした。なぜ、マナーというジャンルに興味をもったかというと、こんな女性になりたいと思える人がママだったからです。ママなのに。。。なぜこの人は魅力的なんだろう。というところから始まりました。当時、私は20代前半。その憧れママは、同じ仕事をしていた先輩でした。一緒にフライトをする時は、ママを感じさせない仕事ぶり。ママであることを忘れるほど、生活感を出さずにふるまえる先輩でした。話もお子様や家庭の話が多くなるなか、話相手が20代の私となると、決してお子様の話などはせず、私に合わせて美容の話、雑誌の話、おいしいケーキの話、洋服の話・・・私が聞いて楽しい話をしてくださる先輩でした。そんな彼女がママに変身するのは、帰宅のタクシーの車中です。
いつの日か、午前中に仕事が終わり帰路がご一緒だった時、彼女はお子様をこれから幼稚園にお迎えに行くのよと話してくれました。お子様の話を率先してしたのがその時初めてで、とてもよく覚えています。そう、話しながら彼女は、身につけているアクセサリーすべてを取り外し、かばんから取り出したアクセサリーポーチにしまいました。その所作はとても美しく、思わず見とれてしまったことが忘れられません。
すべてが新鮮でした。アクセサリーを外したことも、外したアクセサリーをしまうことも、しまう場所は、無造作ではなくアクセサリーポーチにしまうことも。「なぜ、アクセサリーを外すんですか?」と聞くと、「子どもをお迎えに行くには、必要ないのよ。」と、一言。彼女のお子様に対する配慮。周囲に対する配慮。アクセサリーをしまう所作の美しさに、当時の私はこんなママになりたいと思ったものです。
今の私は、アクセサリーを上手に身につけるママは大好きです。園の雰囲気、TPOを考えてのアクセサリー使いをしたい。と思っています。
憧れの彼女のように、すべてのアクセサリーを外してお迎えに行くことはなくても、周囲との調和を考え、常に自分を美しく演出できる彼女のようになりたいものです。
憧れのママになる1番の近道は、身近に憧れの女性を見つけることだと思います。私もその一人です。
「あの人、素敵。」「こんなママになりたい。」という女性は、きっと皆様の近くにいるのではないでしょうか。そんな憧れのママの近くにいて、たくさんいい刺激をうけることが大切だと思います。気づけば、皆さまが憧れられる存在のママとなることでしょう。
憧れのママを見つけたら、次は所作美人になりましょう。立ち居振る舞いが綺麗なママは、その動きからゆとりをかもし出せます。そのゆとりこそが、忙しいママには難しいことだと思います。忙しいママのはずなのに、なぜか余裕を感じる。。。そんなギャップが素敵なんだと思いますよ。このギャップの演出ができるのもママの特権。「知っている」と「出来る」は違います。ぜひ、この文章でお会いした皆さまには、美しい所作と共に「出来る」ママであってほしいと思います。
ケーキの食べ方一つから始めてみましょう。おむつの入ったそのかばんに、もう1つ自分のためのアクセサリーポーチをしのばせて。。。
街中で、電車の中で、美しいママこそが憧れの女性であって欲しいと思っています。
とても忙しいママ。毎日育児で忙しいママ。忙しいママだからこそ、美しい。そう、思っています。
滝澤 雅子 【マナー講師】
記事テーマ
日本の女性は、特にママのマナーは、世界に誇れるほど気遣いが出来ています。素敵に生活するコツを「知恵袋」としてお伝えしていきます。少しのコツを一緒に学び、日々の生活を美しく変えてみませんか。