食事中、隣の人の動きがどこか美しいと感じたら。それは、簡単な動作が綺麗に整っているから美しいと感じるのです。普段の食事やお茶をする機会でも、少しの動きの違いで美しくエレガントな印象を相手に与えることができます。心地よい印象を与えることができたら、所作美人への道は近いですよ。
1 器の蓋はどこに置くの?
2 蓋の開け方ってあるのかしら?
3 盛りあわせの食事はどこから食べるの?
4 タブーって何かしら?
基本的な動きを変えるだけで、劇的に所作は美しくなります。またこの人と会いたいと思わせる一つの要因は所作にあります。
先ほどあげた疑問点をみていきましょう。簡単と思われる動作こそ、丁寧に整えていくことが大切です。
蓋のある食器の所作についてです。
器蓋の置き場所
飯椀の蓋は、右側。汁椀の蓋は左側。右側にあるものは、右側に。左側にあるものは、左側に置くのが基本マナーです。蓋を置くときは、左手を必ず添えて裏返しにして音をたてることなく置きます。
蓋の開け方
左手で茶碗を支え、右手で蓋を取ります。音をたてないように静かに開けるようにします。蓋が開きづらい時は、椀の縁を少し強めに両側から押すと、空気が入り取りやすくなりますよ。
蓋についている水滴を、椀の中に落とすようにして必ず手前から開けてください。左手を添えて、音をたてずにそっと置きます。蓋を取るタイミングは、目上の人が蓋をとってからです。自分が先にならないように十分気をつけてくださいね。
盛りあわせ料理の食べ始め
左側から食べ始めるとスマートとされています。日本食の盛り合わせなどでは、季節の料理が3種類、5種類とあることが多いですが、いろいろと食べ散らかさないようにしましょう。
タブーって何?
マナーばかりを気にして食事を楽しめないのはいけません。一緒にいる人と楽しい時間を共有することを一番に考えてください。グラスを持ったまま食べない。食べるスピードを合わせる。音をたてない。などが食事マナーのタブーの代表例としてあります。
多くの人との会話を楽しむこと。これもマナーの一つです。食事の席で無言なのは、西洋のマナーとしてはマナー違反。初対面の人とも会話を楽しむことがマナーです。料理が冷めたりすることのない程度に会話も楽しむようにしましょう。
所作は、食べ終わってからも続きます。
最後まで美しく。食べ終わったものはそのままにせず、必ず蓋をしめてください。蓋は元通りにします。裏返して蓋をする方もいますが、それは間違いですので気をつけてください。裏返しにして蓋をすると、漆の食器を傷めてしまったりします。
食べ終わったお皿や器を重ねることはマナー違反です。お店の人が片付けやすいからとお皿を重ねる人もいるようですが、食器を傷めてもいけませんので、必ずお店の人にお願いしましょう。
すぐに活用できる所作ですので、ぜひ試してみてください。
前回もお話ししましたが、マナーのポイントとして同じ空間の人が心地よいと感じることはとても大切です。所作が整ったら、ぜひ、一言食事の感想もつたえると素敵ですよ。「素敵な盛りつけね。」「美味しい。」 あなたの感じたこと、なんでもいいのです。美しい所作と、楽しい会話があれば、必ずまたあなたと食事をしたいと相手は思いますよ。
滝澤 雅子 【マナー講師】
記事テーマ
日本の女性は、特にママのマナーは、世界に誇れるほど気遣いが出来ています。素敵に生活するコツを「知恵袋」としてお伝えしていきます。少しのコツを一緒に学び、日々の生活を美しく変えてみませんか。