生活におけるマナーは、場所、習慣が違うと大きく異なるものですね。
大阪でのエスカレーターの乗り方に大きな衝撃をうけたのを忘れられません。仕事をするまでは、飛行機にすら乗ったことがなく大阪は修学旅行でしか訪れたことがありませんでした。初めての大阪フライトでステイになり、先輩とお食事に行った時のことです。梅田の街でエスカレーターに乗る時、「大阪は右が止まる人よ。」と、先輩が耳元で教えてくれました。
なるほど。何か違和感を感じたと思ったら、大阪では、右が止まる人、左が急いで移動する人にわかれていました。東京では、逆で左が止まる人。右が移動する人という感覚がありました。
その後、いろいろな方とお食事の際にこの話になり、地域でエスカレーターの乗り方には特徴があるようです。大阪も、その時の先輩は、東京の感覚とは逆よと、教えてくれましたが、特に決まっていなく大阪は、エスカレーター利用者の多数決で決まるよのと、教えてくれた先輩もいました。右に止まっている人が多い時には、右に止まるし、左が止まっている人だったら左に止まるというものです。
先日、銀座のデパートで買い物をしているときに気づいたことは、エスカレーターの乗るところにお知らせとして「エスカレーターは、止まってお乗りください。」という案内でした。
右、左というのではなく、両サイド止まってエスカレーターを利用するようにというお知らせです。動いているエスカレーターを歩いて移動するのは危険ということでした。時代の変化を感じたお知らせでした。安全に利用するためには、必要な注意だと思います。体が馴染んでいることを変えるのは難しいかもしれませんが、意識することでマナーは変わります。急いでいるときは、階段を利用しようと強く思いました。
国が違えば公共のマナーも変わるもの。フライトで良くタイを訪れていた私。電車での優先席マークが日本と異なることに驚きました。日本と同じようにタイにも、電車に優先席のマークがあります。日本では、妊娠中の女性の絵や、けがをされている人の絵などがありますが、タイではそのような人と並んで僧侶の絵が描かれていました。宗教意識が現われているものですが、日本との大きな違いに驚きを感じたものです。
機内で、タイ人のお子様と接する時、特に注意していたことは、頭をなでたり、触れたりしないことでした。日本人の感覚だと、「いいこ。いいこ。」という意味合いから、頭をなでるという行為にそれほど抵抗感がありませんが、タイでは、神聖な場所として考えられているので、他人に子どもの頭をなでられることを良いと感じない人が多いです。
国や、環境など、少しの考え方の違いでマナーとは変化するものです。変化ありきと考え、相手を尊重することを最初に考えることが大切だと学びました。
マナーを学ぶということは、相手に不快な思いをさせないことです。それにより、コミュニケーションがうまくいくものです。
環境、国、宗教・・・いろいろと違いはあれど、相手を思いやることを大切に、コミュニケーションを良好にするためのツールがマナーだと思っています。
滝澤 雅子 【マナー講師】
記事テーマ
日本の女性は、特にママのマナーは、世界に誇れるほど気遣いが出来ています。素敵に生活するコツを「知恵袋」としてお伝えしていきます。少しのコツを一緒に学び、日々の生活を美しく変えてみませんか。