食事は毎日のこと。食事のマナーを大切にすることで、お子様にもマナーが身につきやすくなります。少しずつを積み重ねて、マナーを楽しんでみましょう。
お子様がお箸に興味をもちだしたら、それがお箸のマナーをスタートさせるよいチャンスです。マナーといっても、難しく構えることはありません。お箸のマナーに限らず、マナーは2つのポイントを押さえることが大切です。
1 空間を一緒に過ごしている相手の気持ちを考えること。
2 自分自身を律する心遣いをすること。
この2つを心におき、行動することで習慣がマナーとなり身に付きます。結婚式などの改まった席で、個々の習慣を知らなくても大丈夫。この2つを思い出してください。2つのポイントを心得た行動が、マナー体得の小さな一歩です。
今回の具体的なテーマは、お箸のマナーです。お正月など、和食を食べることも多い時期。普段何気なく使っているお箸のマナーを見直してみるきっかけになればうれしいです。
機内で日本食メニューをサービスした際、お客様が「箸が横に並んでいると、日本だな・・・と感じるよ。」と、お話をしてくださったことがありました。当然のようにお箸を手前に横並びにしてサービスをしていた私にとっては、不思議な言葉でした。
その時、韓国では西洋のフォーク、スプーンのように、お箸を縦に並べるとその時教えていただきました。同じお箸でも、国や食事によって置く場所が変わります。
日本から近い国では、中国、韓国も箸を使う習慣があります。この2つの国では、箸は、右側に縦に並べます。
日本では、手前に箸先を左にして横にむけます。左ききの人は、箸先を右にむけておきましょう。
箸を置く場所のマナーを覚えるのに、箸置きが便利だとお勧めしています。箸の場所を覚えることだけでなく、箸先が汚れず、ころころと転がるようなトラブルも防げます。
「箸先五分 長くて一寸」
とわれるように、箸先を汚さず食べることが上品とされているのが日本食のマナー。箸置きを使うことで、箸先への意識が芽生え、また食卓を汚すこともなくなります。子どもは、よく箸をころころと床へ落としてしまうことがありませんか。箸置きがあれば、「箸の枕に寝かしてあげてね。」といって、マナーを体得すると共に、落としてしまうことも少なくなりますよ。
タブーを知ることは、マナーを覚えることの近道です。
特に、タブーとされる箸のマナーは、「忌み箸」と呼ばれ失礼な動作とされています。癖になっている動作もあるかもしれません。普段の食事から親子で気をつける癖をつけるといいですね。
タブーとなる箸づかいは、「迷い箸」 「さぐり箸」 「うつり箸」 「寄せ箸」 「涙箸」・・・などがあります。とくに、多くの人が集まって食事をする機会の多いこの季節。知っておいてよい箸マナーのタブーは、「返し箸」です。
御皿料理を取り分ける際、自分の箸をよかれとおもって、箸先を返して持ち手の部分を使うことです。手が触れる部分が食事に触れることは、衛生的にもよくありません。箸自体も汚れてしまいます。取り箸をお願いするか、それが難しければ、目上の人から先にとって頂くのが正しいマナーです。
食事を楽しむことが一番大切なので、家族の食事では、ご家庭の方法に合わせてください。
正式なマナーを知っていると、普段の食事の仕方に変化が生まれます。ただ、「箸を振り回すのはやめなさい。」と、注意しているばかりだと感じたら・・・マナーという点から親子で食事を楽しむと、少し違ってくるかもしれません。
滝澤 雅子 【マナー講師】
記事テーマ
日本の女性は、特にママのマナーは、世界に誇れるほど気遣いが出来ています。素敵に生活するコツを「知恵袋」としてお伝えしていきます。少しのコツを一緒に学び、日々の生活を美しく変えてみませんか。