「芸能人は歯が命」
いつか聞いた懐かしいフレーズですが、「芸能人でなくても歯が命!」といわんばかりの、ここ、アメリカ。子どものうちに歯列矯正をするのはとても一般的で、きれいに整った歯並びかどうかで育ちが判断され、また歯並びは就職にも影響するといわれます。確かに、こちらでお会いする人たちはみな歯がきれい。美しい歯並びは、笑顔の美しさにもつながっているんだなぁと感じます。
そんなアメリカで、歯が生え揃ったわが子。
先日、1歳6ヵ月を迎えたので、かかりつけの小児科で健診をしました。日本だと身体測定のあと歯科検診を受け、虫歯予防の目的で歯にフッ素を塗ると聞いたことがあったのでアメリカでも可能かと尋ねると、「1歳半だとフッ素を塗るのはまだ早いと思いますよ」との答え。
生えるべき歯はすべて生えた状態のわが子。美しい歯並びの基本は虫歯予防、というのに「何もせずに、大丈夫なんだろうか?」との不安から、歯のチェックを兼ねて歯科医を訪ねてみると・・・虫歯予防はフッ素を塗るだけではなかった!アメリカでは子どもが小さなうちから虫歯を予防するための環境が整っていました。
虫歯に関して、どちらかというと「いかに治すか」が注目されがちな日本ですが、「まず徹底的に予防する」というのがアメリカ流。こちらに来てもっとも驚いたことの一つが、「水道水に適正濃度のフッ素が入っている」ということです。うがいや食事などを通して日常的に適正濃度のフッ素に触れるため、自然と歯が丈夫になるとか。私の住んでいるエリアは水道水を飲んでも大丈夫とされているので、ドクターには「うがいをしたりご飯を炊いたり、どんどん水道水を使ってくださいね!」とも言われました。
また、アメリカでは小児歯科といって子ども専門の歯医者さんがとても充実しています。そこに、歯が生え始めたら半年に一度くらいのペースで歯のチェックに行き、ブラッシングを教わったりするのが一般的です。
『虫歯ができても半年以内にチェックできるため、あまりひどくならずに済む』
↓
『あまり痛いことをせずに済むので、子どもたちも歯医者に行くのが怖くない』
↓
『だからきちんと歯医者に通う』
という良い循環が生まれているようです。この習慣は大人になっても続き、半年に一度の歯のチェックはもはや常識の一つとなっています。
小児歯科の院内はテーマパークのような楽しい雰囲気に作られている所もあり、子どもたちが嫌がらずに来られるような工夫が十分にされています。大人になった今でも、正直とても苦手で足が遠のきがちな歯医者さん・・・もし小さい頃にこんな歯医者さんがあったら、今の私は確実に違っただろうなぁ、などと思います。
アメリカは日ごろの歯の手入れに関しても、いろいろとグッズが充実しています。
電動歯ブラシ、ホワイトニング・・・なども様々ありますが、今回は子ども向けのものをご紹介。「Baby Tooth Wipes」といって、まだ歯ブラシで十分に磨くことができない小さな子どもの歯や歯茎を拭いてきれいにするためのものです。実際私も歯科医に薦められ、インターネットで購入しました(写真は「Spiffies」というもの)。1枚ずつ個包装されていて、リンゴやぶどうなどの風味のやや甘い味がついています。この甘さは虫歯にならないキシリトールによるものです。濡れたシート状のものを、指に巻いて、子どもの口の中をぬぐいます。
使用した結果は・・・やはり口の中に何かを入れられるのは初め嫌がりますが、甘い味がついているので、ゆったりと時間をかけて慣らしてあげると少しずつ口をあいて触らせてくれました。わが子の歯の生え方を見た歯科医から「理想はブラッシングと一部デンタルフロスで仕上げを」(ブラッシングすら大変なのにフロス!)と言われたのですが、無理はせず、難しい時はこのwipeを使ってみて、とのことでした。
素敵な笑顔は、きれいな歯から。
将来子どもが自信を持って笑えるよう、お手入れを頑張ろうと思います!
関嶋 梢 【フリーキャスター】
記事テーマ
それは、パパが待つサンフランシスコへ、一歳児を連れて二人だけの飛行機の旅から始まりました。初めての子育て、初めての飛行機、初めての海外生活…初めてづくしの生活はまさに波乱万丈!子供と過ごす海外生活や海外での“育児”と“育自”についてリポートします!