私は現在サンフランシスコで生活していますが、こちらに来たのは息子が1歳1ヵ月のとき。アメリカに到着した時から、というより日本を発つ前から、一番の心配事はちょうど後期に入っていた離乳食でした。
住み慣れた日本を離れ、慣れないキッチン(アメリカでの我が家は電熱式のコンロ)に慣れないスーパー・・・どこにどんなものが売っていて、クオリティーはどうなのかもわかりません。ただでさえ、食べられるものにまだ限りがあるのに、必ずしもそれが手に入るとも限らないという状況は、勝手がわかるようになるまでのしばらくの間、最大の悩みの種でした。
途中まで日本で離乳食を進めている場合、そのままなるべく今までに近い食べ物だったり味付けだったりで離乳を進めるのが親にも子どもにも無理がないと思います。でも食材の調達は、ほとんどの場合、日本にいるときのようにはいきません。じゃあどうしたらいい?
そこで、今回は海外での離乳食作りでどんな工夫ができるのか、アメリカの最新の離乳食情報とあわせてまとめます。
まずは、アメリカの離乳食事情から。
こちらは、オーガニックで高品質の食材をとりそろえたスーパー「WHOLE FOODS MARKET」のベビーフード売り場。売り場の広さは日本のスーパーなどと同じかやや広いくらい。それほど大きな差はありません。
でも違うのはその内容。
一つ一つの品物を見ると、日本で売っている離乳食後期に使うような、形を残して調理したベビーフードはほとんどなく、多くがさまざまな食材をペースト状にしたもの。使っている材料によって与えられる時期が表示されています。
アメリカでは離乳食を、どろどろにしたニンジンやグリーンピース、スクワッシュ、アボカド、ピーチ、マンゴー、リンゴなどから始めることが多いそう。魚はかなり遅くなってから始めるため、ベビーフードで魚の入ったものは見かけないものの、チキンやターキー、ハムなどにグレービーソースを使ったレシピの瓶詰めがたくさん出回っています。味付けは、日本では昆布や鰹節などの出汁が主流ですが、アメリカではバターグレービーソースやジンジャー、シナモン、オレガノやバジルで味付けをするそうです。
売り場で、最も売れている、と言われたベビーフードを息子(1歳3ヵ月)に食べさせてみました! 9ヵ月以上の子ども向けのものでしたが、チキンや野菜をペースト状にしたもので、味は日本のものより薄い印象。わが子は、すでにもう少し味気のあるものをすでに食べてしまっているせいか、3口でおしまいでした。やはり食べなれない味は、すぐにパクパクとはいかないようです。
特に難しいのは、離乳食のステップが完了する前に、途中で海外に行かなくてはならなくなった場合かもしれません。
1歳3ヵ月のお子さんとアメリカにきたあるママは、それまでが完全な日本式のごはんだったため、なかなか口に合うものを作れずに苦労されたとのこと・・・そのご苦労、とてもよくわかります!
ではアメリカで暮らす日本人のママは、どんな工夫をしているのでしょうか?
私が入っているプレイグループ(同じ年齢くらいの子どもを持つママ友仲間)のママたちに聞いてみました。
みなさん上手に、良いとこ取りをしてらっしゃいます!
Mさん:「『ライスシリアル』(写真)を活用!」
お米の調理法を良く知らないアメリカ人にとって定番で、栄養が調整され水で溶くだけの粉末はお医者さんにも勧められたとか。便利さにはまってしまったそうです。
このライスシリアルは、他のママからも利用したという声を聞いています。あるお医者さんは「愛情は少ないけど栄養はたっぷりだから安心して」とおっしゃっていたとか。ちなみに、この写真は前述の「WHOLE FOODS MARKET」で売っているところを撮影しました。
Nさん:「『ブレンダー』が大活躍!」
日本の離乳食グッズには手で擦ったりおろしたりこしたり・・・ができるオールインワンのセットがありますが、アメリカではとにかく全部をブレンダーに入れて、ガーっと流動食にしてしまうのが主流とのこと。Nさんが使っていたのは、離乳食に便利なサイズの専用のブレンダー。他に保存容器やフリージング用のトレーなどもセットになっていて、それひとつで、10秒ほどできれいなピューレ状の離乳食が完成。とてもかわいい容器でそのまま食事に使えます。他にもブレンダーと蒸し器が一体化したものなど、アメリカには使い道に特化した便利な家電製品がたくさんあるようです。
他には、『シリアル(甘くないもの)』をお菓子代わりに持ち歩いて食べさせるかたもよく見かけます。これは私も取り入れていて、外出の際はおやつのひとつとして常備しています。
また、『日本食スーパー』が利用できる地域であれば、うどんなどを購入してしょうゆや味噌などで和風の味付けにして作ることもできます。同じようなメニューばかりだったけどよく食べてくれた!なんて話してくれたママもいましたよ。
それから、『その土地その土地の旬のもの』を積極的に取り入れるのも一案だと思います。もちろん離乳食のステージにあわせたり、また体質に合わない心配があるときはドクターなどに相談したりする必要がありますが、旬のものは、やはり一番美味しいし栄養価も高いですから、子どもたちも素材の美味しさを知る良いチャンスといえるのではないでしょうか? カリフォルニアは果物がとても味が濃くて美味しいので、私もいま様々な旬のフルーツを息子に体験させてあげています。ほんとうにいい顔をして食べてくれますよ!
そして最後になりましたが、最もおススメなのは、現地の同じくらいの月齢の『ママたちとおしゃべり』することです。
同じような悩みを持ちながら育児をしているので、誰かしら、解決方法を知っていて教えてくれます。まさに私も、公園で会うママたちから上に書いたようなことを教えてもらったりしています。同じ日本人同士でも、違う国の人でも、かまいません。どこで売っている何が美味しい!あれは便利!!など、本当に使える情報を教えてもらえるチャンスがたくさんあるので、勇気を出して、是非輪の中に飛び込んでみてください。きっと良いヒントが得られると思います。
関嶋 梢 【フリーキャスター】
記事テーマ
それは、パパが待つサンフランシスコへ、一歳児を連れて二人だけの飛行機の旅から始まりました。初めての子育て、初めての飛行機、初めての海外生活…初めてづくしの生活はまさに波乱万丈!子供と過ごす海外生活や海外での“育児”と“育自”についてリポートします!