以前、梅干しづくりをご紹介しました(第一回目の記事)
我が家の夏の年中行事が梅干しづくりなら、冬はお味噌づくり。
今年で4年目になります。
息子の成長とともにお味噌を仕込み、毎年息子の成長を感じられる、そんなとても大切な行事となりました。
今回は毎年ご指導いただいている鈴木真理先生のレシピのため、具体的な配合や詳細はお伝えできませんが、お味噌作りは決して難しいことではないことをご承知いただければ幸いです。
昔の日本家庭では味噌を仕込むことは珍しいことではありませんでした。
今も、ご自分ではなさらなくても、ご実家やおばあちゃま、ご親戚などが仕込まれる、そんな家庭も多かれ少なかれおありになるかと思います。
味噌は配合、気候、保存の仕方、そして各家庭にある麹菌によって、十人十色に変わる生き物です。
同じ人が仕込んでも毎年違う味わいになるのが面白いところ。
売り物ではなくあくまで“手前味噌”ですから、それでいいんです。
それが楽しいんです。
仕込み時期については好みがあります。一般的には冬から初夏にかけてが適している時期といえます。冬の寒い間に仕込めば最初の発酵や緩やかに、徐々に暖かくなるにつれて急速に発酵が進みます。
暖かい時期に仕込めば、プロテアーゼなどの発酵にかかわるたんぱく質分解酵素が早くに活動し、発酵が早まります。
我が家では先生のご指導のもと冬場に仕込む寒仕込みを採用しています。
仕込む時期によってもお味や発酵の仕方がちがってくるので、毎年いろいろ試して自分の好きな塩梅をみつけるのもいいですね♪
天然醸造味噌の材料は 大豆、麹(今回は米麹を使いますが、地域によっては麦など)、塩、たったこの三つです。
市販で売られている味噌を否定するわけではありませんが、流通しているお味噌には発酵を抑えるためや、甘みを加える為、ここにアルコールや添加物が入ってきます。
今回ご紹介するのは純粋にこの三つで作ったお味噌です。
添加物が入っていない=腐りやすい?というお言葉を聞くこともありますが、
お味噌はそもそも発酵食品ですので、きちんとした保存法をもてば腐ることはありません。
麹づくりからスタートする方もいらっしゃいますが、ここでは米麹としてできあがったものを利用しますので、麹造りの方法は割愛させていただきます。
つづいて塩切りの作業です。これは麹と塩を混ぜ合わせる作業となります。
その後、よくつぶした大豆と合わせ、まんべんなく混ざり合わさったら、アルコール消毒した容器に詰めます。
そして、一日の中でできるだけ気温差の少ない場所(一軒家であれば北側のお勝手裏、マンションであれば北側のお部屋やメーターボックスなど)に保管し、およそ4ヵ月~半年熟成させます。
梅干しと同様(それ以上に)すぐに食べられないのが醸造味噌。
毎日その変化が楽しくて、お子様もうずうず。
我が家では二年前から5キロ仕込むうちの1キロを、息子専用容器に詰め込み、別の場所で保存しています。
今日はお味噌ゆっくり眠れているかな♪そろそろかな♪そんな会話はとても暖かく、親子にとってとても心地よい時間となります。
植物を育てるように、味噌を育て、食の心を育てる。
たのしいと思いませんか♪
忙しくてゆっくりご飯を作ってあげられなくても、こうやって仕込んだお味噌があれば子どもとの絆になります。
そして、手作り味噌があれば、毎日のお味噌汁はもちろん、きゅうりにお味噌をつけるだけでも、焼きおにぎりにお味噌をぬるだけでも贅沢なごちそうになります。
お味噌作りは力仕事です。だからこそパパの力、子どもの力を借りて家族みんなでつくりましょう。
家族やお友達との素敵な思い出の1ページになりますよ。
指導協力:easy kitchen講師 鈴木真理先生
参考文献:農文協/永田十蔵著/『誰でもできる手作り味噌』
農文協/今井誠一編、水上みのり絵/『つくってあそぼう3 みその絵本』
飯塚 悠 【食育指導士 】
記事テーマ
子どもの『ママのごはんおいしい!』は魔法のことば。その言葉で、ママは自然と笑顔になり、それをみたパパも笑顔に・・ 幸せの輪が広がります。なんでも手に入る便利な世の中だからこそ、手作りに目をむけましょう。子どもと一緒にできる日本の伝統的な発酵食や乾物料理、季節料理などの体験記とともに手作りのワンポイントを紹介。