立冬も過ぎ、朝晩の冷え込みも一段と強くなってきました。
気温の変化で体調を崩されている方も多いのではないでしょうか。
小さいお子様がいると、体調を崩したからといって、毎日の家事を完全に休むわけにもいかないのが現実。お買いものに行くのも一苦労・・・
そんな時こそ、乾物は救世主となってくれます☆
災害時や、お財布の中身がちょっと心配になってくるお給料日前・・・おうちに乾物さえあれば、わざわざお買い物に行かなくても立派な食卓を演出することができますよ。
乾物の代表といえば、切り干し大根、干しシイタケ、豆類、かんぴょう、こうや豆腐などがあげられます。今回はその中でもこうや豆腐に注目してみたいと思います。
みなさんのお住まい地域では高野豆腐と呼びますか、それとも凍み豆腐でしょうか。
高野豆腐はその名のとおり、高野山で生まれたという歴史があります。
古く鎌倉時代、高野山の僧侶が精進料理として食べていた豆腐が冬の厳しい寒さで凍ってしまい、それを翌朝溶かして食べたことが最初のルーツと言われています。
一方同じ頃、信州方面でも冬場の食材として豆腐を一晩凍らせる“一夜凍り”がつくられていました。さらに室町時代から安土桃山時代の頃、つくって吊しておくうちに自然に乾燥することが発見された以後、この作り方が定着し、これを保存食・兵糧食とし、凍み豆腐と呼ばれるようになりました。
どちらも、寒い地方ならではの気候が生んだ日本独自の伝統食材ですね。
そのほか、地域や製法によって凍り豆腐(こおりとうふ)、ちはや豆腐(大阪の河内地方)、連豆腐(れんとうふ)、一夜凍り(いちやこうり)(北海道)などと呼ばれています。
参考文献
次にこうや豆腐の栄養素について。
大豆は畑のお肉、と言われるようにたんぱく質が豊富。その加工食品である豆腐をさらに乾燥して水分を抜いているのが高野豆腐。栄養素は凝縮され、たんぱく質は約7倍に、カルシウムは約5.5倍になります。
また、マグネシウム、リン、亜鉛、カリウム、鉄、ビタミンEや食物繊維も豊富な食材です。さらにヘルシーで歯ごたえがあり、満足感も味わいやすいためダイエットにもおすすめの食材です。そして長期保存がきく!とっても優秀な食材なんです。
参考:食品成分表/女子栄養大学出版
そんな優秀なこうや豆腐、食卓にはぜひ並べたい食材です。ただ、戻すのが面倒そう、味気ないメニューになりそう・・・そんなお悩みも多いのではないのでしょうか。
ちょっとした一工夫でご主人もお子様も喜ぶメニューに変身させましょう
今回のレシピは小さい頃から料理上手の叔母がよくつくってくれたもので、レシピ提供に協力してもらいました♪
【材料】(できあがり10個分)
(具材用)
・こうや豆腐(5㎝×6・5㎝程度の通常サイズ) 5個
・ひき肉(鶏、豚お好みで) 120g
・ネギ(みじん切りにしたもの)大匙2程度
・しょうが(みじん切りにしたもの)大匙1程度
・醤油 大匙2
・砂糖 大匙2
(煮汁用)
・だし汁2カップ
・酒 大匙1
・みりん 大匙1
・砂糖 大匙2
・醤油 大匙1
【作り方】
①こうや豆腐は製品の表示通りの温度と時間で戻し、しぼっておきます(あまりあついお湯で戻すと崩れやすい原因になりますので注意)
②しぼったこうや豆腐の真ん中に切れ目をいれます。(できるだけ奥深くまで入れるのがポイント。多少きれてしまっても気にしないでください。)
③こうや豆腐の中に詰める具材をよく混ぜ合わせます。
④粘り気がでたら②のこうや豆腐の切れ目の中に詰めていきます。
⑤できるだけ広いお鍋に横にして並べて、煮汁用のだし、調味料を合わせ、弱火でことこと10~15分ほど煮ます。(落し蓋をしておくと崩れにくくなります) 完成です。
☆point☆
煮汁が全体にうまくかかっていない場合はたまにひっくり返してあげますが、あまり触らないことがポイントです。
小さなお子様にはさらに半分くらいにカットしてあげましょう。
中の詰め物にしっかりした味をつけておくことで、煮汁が薄めでも味がしまります。
こうや豆腐が煮汁をよく含んでくれますので、煮汁をよくきればお弁当のおかずとしても活躍してくれますよ。
飯塚 悠 【食育指導士 】
記事テーマ
子どもの『ママのごはんおいしい!』は魔法のことば。その言葉で、ママは自然と笑顔になり、それをみたパパも笑顔に・・ 幸せの輪が広がります。なんでも手に入る便利な世の中だからこそ、手作りに目をむけましょう。子どもと一緒にできる日本の伝統的な発酵食や乾物料理、季節料理などの体験記とともに手作りのワンポイントを紹介。