道端の紫陽花の美しさに目が留まるようになるころ、毎年我が家ではアメリカンチェリーのシロップ煮を作ります。
春になって桜を愛で、いちごのコンフィチュールをせっせと作り、5月中旬から出回り始めるアメリカンチェリーを見つけると、早く安くならないかな~?とそわそわするのです。
アメリカンチェリーは日本の佐藤錦などのような繊細で高価なサクランボとまた趣が違い、香りも強く実もしっかりとしているのでお菓子として扱うにはぴったりです。
見た目もかわいい形のサクランボ。
お子さんと一緒にお鍋でことこと煮てみてはいかがですか?
私は毎年シロップ煮を作るので秘密兵器の「種抜き機」を持っていますが、一番最初はなんと菜箸でギュギュッと種を押し出して作っていました。でも終わった後の手はそれはそれはみごとなアメリカンチェリー染め。2日間ほど色が抜けないほどでした。
お子さんと一緒に種抜きをするときは、色がついても気にならないお洋服に着替えてエプロンをつけて、テーブルには新聞紙などを敷いておくことをお勧めします。
種抜き機のないご家庭は、人数分のヘアピンのご用意を♪
U字になった部分を引っ掛けて種を取っていきましょう。量が多くないときはお手軽気分でいいですよ。
地道な作業も親子でやれば楽しいイベント♪ 途中お口に入ってしまう分も分量に入れて(笑)、さあ、作ってまいりましょう!
_(材料)______________________
水 400cc
砂糖 200g
バニラビーンズ 1/2本
アメリカンチェリー 500g~1000g
_(作り方)________________________
①アメリカンチェリーはきれいに洗って、種を抜きます。種抜き機があると便利です。(その場合大きめのボールの中で種を抜くと、抜いた瞬間ジュースが周りに飛び散るのを防げます)
無い場合はヘアピンを使って種をくりぬきましょう。
②まずは鍋に水と砂糖、あればバニラビーンズを入れて一分ほど火にかけ砂糖を溶かしましょう。
③底に砂糖が残っていると思うのでゴムべらなどでかき混ぜ砂糖を溶かしきります。(煮詰めすぎるとシロップに濃度が出てくるので1分ほどで充分です)
④種を抜いたアメリカンチェリーを加え1分ほど煮る。あくが出てくるのでしっかりと取り除く。アルミホイルで蓋をし、弱火で30分煮込む。
⑤時間が経ったら火を止めそのまま冷ます。
火にかけて1分ほどでシロップの色はすでにきれいなワイン色。何とも美しい自然の色だと思いませんか。
多めに作った時はジュースごとジップロックなどに入れて冷凍保存する事ができますよ。
味もしっかりとしていて存在感があるので、お菓子に焼きこんだり、ジュースごとゼリーにしたり、クレープに添えてみたりと色々と応用できますね。
でも我が家では、まずこの食べ方からスタートです。
美味しいアイスクリームを買ってきたら、まずはグラスに赤ワインのようなきれいなジュースを入れます。少し柔らかくなったアイスをたっぷりとその上へ。そしてチェリーをこれまたたっぷりとアイスの上にのせて「いただきま―す♪」
今回はお酒はあえて入れていませんが、ほんのちょっとでも同じサクランボからできたお酒「キルッシュ」を入れると、ぐぐっと味が深くなり、チェリーの味自体が引き出されてきます。
大人用にはちょっぴり後から加えるといいかもしれませんね。
果物と共に季節を感じるお菓子作り。何となく豊かな気持ちになりませんか?
これから本番となる梅雨の時期、お子さんと一緒にさっぱりと美味しいチェリーのパフェなどを楽しんでいただけたらなと思います。
しっとりと、素敵な6月をお過ごしくださいね。
山下 久美子 【お菓子教室 Sugar Box Studio主宰】
記事テーマ
「初めて作ったお菓子」その思い出は皆さんの心の奥底に優しく大切に仕舞われていませんか?私達の子供も初めてお菓子を作った時のわくわく!ドキドキ!そしてお菓子を囲んでいる家族の優しい笑顔をいつまでも覚えていてくれるかもしれませんよね。「チチンプイプイおいしくなあれ!」ママとお子さんに倖せの魔法がかかるお菓子作りのアイデイアをお伝えします!