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名画の模写料理 "モネのラ・ジャポネーズ"/2012年2月

あっという間に2月ですね

いよいよ寒さも本番になってきました。

家族と一緒に迎えたお正月も、つい先日な気がしますが、あっという間に1ヶ月が過ぎました。
 
どうぞ皆様、風邪にはお気をつけて、楽しい冬の思い出を作られますように。 
日本のお正月といえば

初詣、お年始のご挨拶。

今年のお正月、着物を着られた方もいらっしゃるかもしれませんね。
そんな日本の伝統文化に触れることの多い時期でしたので、日本文化をモチーフにした、モネのラ・ジャポネーズを今回の模写料理のテーマにしたいと思います。
 

モネ ラ・ジャポネーズ.jpg

 (クロード・モネ ラ・ジャポネーズ 1875年 ボストン美術館蔵)

ラ・ジャポネーズについて

まずはこの絵について簡単に解説したいと思います。

最大の特徴は、1つの画面の中にフランスと日本という2つのモチーフが混じり合って描かれていることといえます。
 
モネはゴッホやドガなどの他の印象派画家の多くと同じく、日本美術に影響を受けた一人です。
この作品を描いた頃の彼の作品には、日本の木版画の特徴である、大胆に広い面積に色を塗り、庶民の実生活を描いた世俗的な主題、遠近法を無視した平面的な空間構成などがみうけられ、日本美術の影響を大きく受けていることが分かります。
 
本作品のモデルも膝を曲げ、大きく腰をひねって振り返る姿は、菱川師宣の『見返り美人図』を彷彿とさせます。
 

14回菱川師宣 見返り美人.jpg

(菱川師宣 見返り美人図 17世紀 東京国立博物館蔵)

 

 

また、描かれたアイテムにもモネの意識的な文化の融合が感じられます。
輝くようなブロンドのかつらをかぶり、鮮やかな朱色の日本の着物を身につけたモデルは、モネの妻でありフランス人のカミーユと言われています。
 
そのカミーユが手にしている扇子は赤、白、青のフランス国旗の3色であり、背景の壁には1ダース以上もの日本のうちわ、床にはござが描かれ、フランス人であるモネの日本への親近感を見ることができます。
 
実際この絵が描かれた1870年代には、日本の文化はフランスで大変人気があり、パン屋は日本風のお菓子を焼き、画家は日本の日常生活を取り上げた風俗画を描いていたといいます。
(引用元:モネ展 1994 カタログ) 
この絵の特徴とは

この絵画の最大の特徴は、1つの画面の中にフランスと日本という2つのモチーフが混じり合って描かれていることといえます。

着物、うちわ、ござなどの日本文化を象徴する小物に囲まれた、ブロンズのフランス人女性。そして女性の着ている着物の柄もいかにも日本らしい武将と刀の刺繍。
大変分かりやすい文化融合の設定といえますね。
 
次に言える特徴としては、朱色を大胆に広く使った色面です。
モデルの女性がまとう、裾を広げた朱色の着物が画面の中心を大きく占めていることで、真っ先に見る人の目を奪います。
また、背後に描かれた数々のうちわの色彩が、全体の雰囲気を賑やかにさせています。
 
是非料理でも、こうした色彩のインパクトを活かしてみたいですね。
料理に活かしてみましょう

これを料理に活かして作ってみたのが、『カラフル巻き寿司』。

ラ・ジャポネーズ.jpg

 

 
日本食文化の代名詞ともいえるのが寿司。
最近は、健康食として世界中でアレンジして食べられるようになってきました。
代表的なアレンジ料理の1つが、カリフォルニアロール*。
*アメリカのロサンゼルスで生まれた、裏巻き(外側から酢飯、海苔、具材という順で巻く)にした巻き寿司のこと
 
ラ・ジャポネーズの題材の特徴である、日本と他国の文化が融合されたもの、といえば、このカリフォルニアロールは大変知名度の高い代表的な料理であり、今回の模写料理のベースに選びました。 
巻き寿司でも色味や飾り付けで雰囲気が変えられます

表面に巻くネタも、色味のカラフルさに気をつけて揃えることで、全体の雰囲気を華やかに仕上げております。

この色鮮やかなカリフォルニアロールを大胆に皿の上に配置し、ソースや飾りつけをフェミニンに仕上げることで、全体的な雰囲気でラ・ジャポネーズの模写に仕上げてみました。
 
 
いかがでしょうか。
(絵画自体が印象派、ということで、模写料理も全体的な印象で見ていただければ嬉しいです。)
 
次回は具体的なレシピをご紹介いたします。

Mama's profile/プロフィール

柏木 直子

柏木 直子 【パン&家庭料理教室主宰】

記事テーマ

たった3つのポイントで食卓が絵画に変身!

毎日の生活の中で家族が顔を合わせ、同じものを共有する唯一の時間が食事。だからこそ家族にワクワクした気持ちで食卓に座って欲しいし、何よりママ自身が楽しんで作れることが1番。家族の喜ぶ顔、それは美しい絵画に出会った時のはっとした嬉しい驚きと同じ。3つのポイントをおさえて献立を考えれば、いつもと少し違った家族の表情が見られるかもしれませんよ!

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