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名画の模写料理 ゴッホ "夜のカフェテラス"/2013年5月

今年の春は

雨粒はまだ肌寒く、陽射しは暖かさを感じる、今年の春。

 
もう少ししたら、春の夜風を気ままに楽しめる季節になりそうですね。
待ち遠しいばかりです。 
今回の名画のご紹介をいたしましょう

ゴッホ 夜のカフェ.jpg

(フィンセント・ファン・ゴッホ, 1888年, オランダ クレラー・ミュラー美術館)

 
ご存知の方も多いと思います、ゴッホの名画 “夜のカフェテラス” です。
この絵は南仏のアルルを舞台に夜風の中、テラスでくつろぐ人々が描かれています。
 
本作品の特徴としては、夜の景色なのに黒色を使わず表現されている点です。
ゴッホ自身も、”青と紫と緑による、黒色なしの美しい夜景" と評していることは有名です。
 
画面上部に描かれる、鮮やかだけれど深さを感じる青い夜空と黄色く輝く星々。
その下には、深い紫色で静かに佇む街並と、生命力の力強さを感じさせる緑色に生い茂る杉。
そして、こうした青色、紫色、緑色の深みのある落ち着いた色彩の中に、カフェの灯りとして鮮やかな黄色を配置する激しさ。
燃えるような情熱を感じさせます。
 
こうした、青色と紫色の落ち着いた色味の中に、緑色と黄色で生き生きとしたアクセントを入れた色彩描写は、本作品の特記すべき特徴だと思います。 
料理に当てはめてみましょう

上述の特徴を料理にも活かしてみれば、

食卓で生き生きとした印象を与える一皿を召し上がっていただけるのではないでしょうか。
 
まずはメインの食材選びから。
青色・紫色・緑色・黄色に、と大変複雑な色彩と輝きを見せている、画面手前の石畳。
美しい鯛の鱗のようです。
 
冬から春にかけてが美味しい鯛。
旬の野菜と組み合わせて、春の味覚を存分に楽しめる一皿に仕上げてみたいと思います。
そのために、今回は素材そのものの香りや出汁を活かした、シンプルな調理法にしました。
 

ゴッホ全体.jpg

 

真鯛と春野菜のキャセロール。

 
旬の新じゃがと新たまねぎ、にんにくとミニトマトを用意し、
厚手の鍋に入れてじっくりとオーブンで蒸し焼きにします。
 
蒸されることで、素材の旨味と甘みがたっぷりと鍋の中に閉じ込められます。
そのため、味つけは塩とオリーブオイル、ハーブの香りだけで十分です。
グリーンオリーブの酸味とちょうどあう、春を満喫いただける料理です。
 
魚貝と相性のよいディルを杉の木に見たて、
眩いカフェテラスの灯りは、黄色いソースで仕上げます。
茹でた卵黄をビネガー、オリーブオイルでペースト状にした
黄色いソース。見た目にも味にもアクセントになります。
 
青い夜空を想像させるテーブルクロスを広げたら、
レモンをさっと絞ってお召し上がりください。
ゴッホ盛りつけ後jpg.jpg
 
いかがでしょうか。
 
今回のメニューは、材料も調理法もシンプルに仕上げております。
次回では具体的なレシピをご紹介予定でおりますので、どうぞ一度お試しくださいませ。
 

Mama's profile/プロフィール

柏木 直子

柏木 直子 【パン&家庭料理教室主宰】

記事テーマ

たった3つのポイントで食卓が絵画に変身!

毎日の生活の中で家族が顔を合わせ、同じものを共有する唯一の時間が食事。だからこそ家族にワクワクした気持ちで食卓に座って欲しいし、何よりママ自身が楽しんで作れることが1番。家族の喜ぶ顔、それは美しい絵画に出会った時のはっとした嬉しい驚きと同じ。3つのポイントをおさえて献立を考えれば、いつもと少し違った家族の表情が見られるかもしれませんよ!

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