前回、初めてのマイホームを考えている人におすすめしたい「自分だけの住まいづくりノート」をご紹介しました。憧れの間取りや、インテリアの写真を貼ったり、希望を書いたりする夢のノートです。さらに加えて書いていただきたいのが、住みたい場所です。
子育て環境のいいところはたくさんありますが、実際に生活していくうえで親の自分たちも住みやすく、長く暮らせる地域とはどこなのか? なんとなく、今住んでいるところがいいかなぁと考えている人も多いでしょうが、しっかりと住みたい街を明確化してみてください。
では、どこに住むのがいいのか。考えられるところを挙げてみましょう。大きく分けると、地縁(住む土地に基づいてできる縁故関係)のあるところと、ない場所になります。それぞれのメリットは以下の通りです。
■ 地縁のあるところ
○現在住んでいる地域
新婚当時から、もしくは学生時代から住んでいて街に愛着があり、友人もいる。
○ 実家の近く
夫もしくは妻の実家近くは、自分が生まれ育った街であることも多くなじみやすい。
また、祖父母には子育てに協力してもらえる。
■ 地縁がないところ
○ 勤務先の近く(通勤に便利なところ)
毎日通勤に時間がかかるのはストレスの原因に。帰宅時間が遅い方などは、
できるだけ快適に移動できるところに住みたいもの。
○ 子どもの学校の近く(もしくは通学エリア)
将来、通わせたい学校がある場合、その近くや通学エリアに住居を構えたほうが、
実際に安心して通わせることができる。
○ 大規模ニュータウンなど新しい街
新しくできる街なので、住人同士の年齢層も近いことが多く、仲良くなりやすい。
街並みが美しく、施設も揃っているのも魅力。
夫婦で意見が食い違いやすいのは、都心かニュータウン、どちらの実家の近くか、といったところですね。その場合、子育て環境は郊外のニュータウンがいいけど、やはり通勤の便も考えて、アクセスがよいところを選ぶなど、お互いの意見を尊重しながら折り合いをつけていく必要があります。
夫と妻、どちらかの実家の近くというのは、一方の親に気兼ねだということなら、ちょうど真ん中ぐらいに住むとか、いろんな選択肢があると思います。
子育てのしやすさ、子どもの将来、そして自分たちの未来も考えながら、どこに住むのが最適なのか、時間をたっぷりかけて話し合ってみてください。
武田 由紀江 【住宅ライター】
記事テーマ
子どもの誕生や就学を機に、マイホーム取得を考える方が多いようです。「自分たちにはどんな住まいがいいのか」「子どもと仲良く暮らせる間取りは」など、事前に考えることはいっぱい。初めてのマイホームを賢く、楽しく取得するために、知っておきたい基礎知識や住まい選びのポイントなどについて連載していきます。