マイホームが欲しいと思っていても、そもそも何から始めればいいのか分からない…と、思っている人も多いと思います。本格的に行動する場合は、広告を見て比較検討したり、現地を見学に出かける必要があるので、小さな子ども連れでは大変なこともありますね。
そんな初期の段階の方におすすめしたいのは、どんな家に住みたいかのイメージづくり。たとえば現在、料理中に子どもの様子が分からないという不満があるなら、「キッチンはリビングが見渡せるオープンタイプ」など、自分の好みや使い勝手のいいものをピックアップしていきます。
とはいえ、空想だけでは限界があるので、テレビや雑誌で紹介される住まいを見て、いいな!と感じたところを、どんどん書き出したり、切り抜いたりして、自分だけの住まいづくりノートを作っても楽しいと思います。このときに、インテリアでステキなコーディネートがあれば、同じくピックアップしておくと、自分の好みが明確化してくるでしょう。
イメージを膨らますのに最適なのは、やはり実物を見ること。子連れでも訪問できる友人宅、親戚宅があればどんどん訪ねて、どんな暮らし方をされているか、住み心地はどうかなどを聞いてみましょう。
何度も訪れている親戚宅でも、「住まい」という視点で見ると、キッチンと洗面室がつながっていて家事動線がスムーズだなとか、普段と違う印象を受けることもあります。そして、とくに参考になるのが最近マイホームを建てた方。身近におられたら、ぜひこだわりのポイントや、建てるまでのエピソードをたくさん聞いてみてください。
いろんな家を見ているうちに、『Aさん宅の子ども部屋がよかった』『Fさんのところは、リビングの吹抜けが開放的だった』など、またそこで自分たちの好みが明確になってくるはずです。
どんな家に住みたいかという情報は、家族全員で共有したいもの。子どもが小さいうちは、夫婦ふたりで決めることになりますね。生まれ育った環境が違うふたりなので、住宅に対する価値観も同じとは限りません。雑誌や住まいづくりノートを見せて、『この家どう思う?』と、なるべく早い段階でパートナーに聞いて、反応を確かめておきましょう。
実際、取材時にお聞きした例ですが、子ども部屋について夫婦で意見が分かれた方がいらっしゃいました。妻は「子ども部屋は南側の一番いいところで広く」。一方、夫は「働いて建てるのは自分たちなんだから、夫婦の部屋が一番広く明るいところに。子ども部屋は最小限に」、という要望でした。これには正解はなくて、自分たちがどうしたいか、ですよね。
まずは子育ての合間に、自分の好きな住まい、インテリアなどをピックアップすることから始めてみませんか。
武田 由紀江 【住宅ライター】
記事テーマ
子どもの誕生や就学を機に、マイホーム取得を考える方が多いようです。「自分たちにはどんな住まいがいいのか」「子どもと仲良く暮らせる間取りは」など、事前に考えることはいっぱい。初めてのマイホームを賢く、楽しく取得するために、知っておきたい基礎知識や住まい選びのポイントなどについて連載していきます。