開き戸は、蝶番(ちょうつがい)と呼ばれる金具などを軸として、押すか引くかして開閉するドアのことです。一方、引き戸は溝やレールに沿って開閉します。開き戸が前後に動くのに対し、引き戸は左右に開閉するのが特徴です。
室内にドアを設置する際、場所によっては開き戸を設けると、開閉時に反対方向から来る家族にぶつかるといったこともあります。その点、引き戸は横に開くためドアが人にぶつかるといった心配はありません。
引き戸といえば、ふすまなど和風をイメージされることも多いのですが、実は洋にも和にも対応し、子育て中にぴったりのアイテムなのです。
開き戸の場合、一般的に開けるか閉めるかのいずれか。0か100で、中途半端に開けておくことは基本的にしないですね。どうしても少し開けておきたいときは、ドアを止めておく道具が必要になります。
その点、引き戸は全部開け放つ、半分だけ開ける、ほんの10㎝ぐらい開けておく、といった細かな調整が可能です。自由に空間を間仕切りして使えます。
下記はマンションのリビングに隣接する子ども部屋の写真。今は開け放して使うことが多いようですが、今後、子どもが勉強をするときなどは様子がわかる程度に少し閉めておくなどフレキシブルに使うことができます。
すべて見えるのではなく、「親子でお互いの気配が分かる」という安心感もありますね。
引き戸を閉めると雰囲気が変わります!
引き戸といえば、床に溝やレールが主流でしたが、今は天井から吊るすタイプも多くあります。その場合は、床に段差がなく出入りも安全でスムーズ。
開き戸に比べると気密性が少々低く、和のイメージが強かった引き戸ですが、最近は種類も増え、機能性やインテリア性も向上しています。
また、不在のときでも通風のために少し開けておく、という使い方ができるのも引き戸ならではでしょう。
扉を開き戸にするか、引き戸にするか。もちろんそれぞれのよさがあります。住まいづくりを考えるときのひとつのパーツですが、子育て中、そして将来の生活も見据えて選びたいですね。
武田 由紀江 【住宅ライター】
記事テーマ
子どもの誕生や就学を機に、マイホーム取得を考える方が多いようです。「自分たちにはどんな住まいがいいのか」「子どもと仲良く暮らせる間取りは」など、事前に考えることはいっぱい。初めてのマイホームを賢く、楽しく取得するために、知っておきたい基礎知識や住まい選びのポイントなどについて連載していきます。