住宅の広告を見ていて、「普段使用しない専門用語があって分かりづらい…」と感じたことはありませんか? 建築や不動産の専門用語が数多く使われているため、最初はとまどうこともあるでしょうが、一度覚えたら広告がより読みやすくなるはず!
用語はたくさんありますが、今回はマイホーム考え中、住宅初心者のママ友だちに広告を見てもらい、「何となくしか知らない」、「意味がはっきり分からない」という用語をピックアップしてみました。
●ディスポーザー
キッチンの排水口に入れた生ゴミを細かく砕き、そのまま流せる処理機。生ゴミをそのつど捨てられるので、臭いなどから解放されます。大きな骨や貝殻、卵の殻などは処理できないようです。
●パーティルーム
名前の通り、パーティができるスペースですが、広めのキッチンやテーブル、ソファが備え付けられていることころもあり、子どもたちと一緒に料理を作っても楽しそう。物件によっては最上階の眺望のよい場所に設けられているところもあります。
● キッズルーム
マンション内にある子どもの遊び場。遊具を置いているところ、集会室と併用されているところなど、物件によってさまざまですが、広々とした空間で子どもを遊ばせることができ、ママ同士の交流もできると好評です。
●自走式駐車場
平面駐車場が2階や3階建てになっていて、自分で運転して上がれるタイプのこと。立体駐車場よりスムーズに車をとめることができます。
●管理形態
マンションの管理形態は管理員の勤務形態によって、1.常駐管理(管理員が住み込み) 2.日勤管理(通勤して管理する) 3.巡回管理(定期的に巡回して管理する) 4.自主管理(管理員をおかず、管理組合が自力で管理をする)に分けられます。最近は交代制の24時間体制で有人管理を行うところも増えてきました。
●修繕積立金
マンションを長期間、維持・保全するために定期的な修繕を計画し、その実施のために積み立てるお金。外壁塗り替えや屋上の防水、非常階段の鉄部の塗装など、数年〜数十年に一度行われる際に備えます。マンションを購入したら区分所有者(専有部分の持主)となり、毎月修繕積立金を管理組合に支払うことになります。
●修繕積立基金
マンション購入後は大規模修繕に備えて毎月、修繕積立金を積み立てますが、この修繕積立金を補うために、マンションを購入するときに一括で支払うのが修繕積立基金。物件や購入する住戸の専有面積によって異なりますが、20〜40万円程度のところが多いようです。
ディスポーザーは、写真と簡単な説明が掲載されている広告なら分かりやすかったようですが、名称だけだと「?」となってしまったようですね。
●小屋裏(こやうら)
一戸建て住宅の屋根裏にできる空間のこと。天井高が低めで採光がとりにくいため居室としては使えませんが、書斎など趣味の部屋や収納スペースに活用されています。収納スペースの場合は、使用する際に折りたたみはしごなどを利用することが多いようです。
●角地
直交する2つ以上の前面道路に囲まれた区画の土地のこと。前面道路の幅が狭いと土地利用に制限が加えられる場合もありますが、一般的には室内に光や風を採り入れられ開放感のある生活ができるうえ、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)の緩和を受けられるなどのメリットもあります。
●建物面積
建物の延べ床面積のことで、2階建てなら1階と2階の床面積の合計が建物面積となります。各階の床面積は、外壁または柱の中心線で囲まれた壁芯面積で表しますが、バルコニーやテラスなどの面積は含みません。
●用途地域
街づくりにおいて土地は、住居系、工業系、商業系の3系統からなる12種類の用途地域に分けられています。広告に「第一種低層住居専用地域」とあれば、閑静な低層住宅街であるということ。用途地域によって建てられるものが決まっているので、周辺環境の目安になります。
●水道分担金
新築住宅を購入する場合、新しく水道を引くために負担するお金で、自治体によって負担しなければならない場合、不要な場合があります。
●住宅性能評価書
平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)のなかの住宅性能表示制度に基づき、外見や簡易な間取図ではわかりづらい住宅の性能を10分野にわたり等級や数値で表示したものです。いわば家の通知表のようなもので、住宅ローンの優遇を受けられる場合もあります。
●複層ガラス
窓のひとつの枠に2枚のガラスをはめ込んだ機能性ガラスの一種。ガラスの間には乾燥した空気などを密閉しているため断熱性があり、冷暖房の効果を高めて気になる結露も軽減します。防犯用として2枚のガラスの間に厚い中間膜や特殊な板をはさみ、割れにくくした製品もあります。
●スロップシンク
キッチンとは別に、バルコニーなどについている流しのこと。スロップは泥水という意味で、室内では扱いづらいものを洗うのに便利。ガーデニングにも重宝します。
上記のうち、小屋裏、建物面積、水道分担金以外はマンションでも使用されます。
今回はごくごく初心者向けの内容でした。専門用語はむずかしいと思い込まず、少しずつ知っていくことで、広告を見るのも楽しくなったりしますよ。
武田 由紀江 【住宅ライター】
記事テーマ
子どもの誕生や就学を機に、マイホーム取得を考える方が多いようです。「自分たちにはどんな住まいがいいのか」「子どもと仲良く暮らせる間取りは」など、事前に考えることはいっぱい。初めてのマイホームを賢く、楽しく取得するために、知っておきたい基礎知識や住まい選びのポイントなどについて連載していきます。