気に入った物件があって、モデルルームや現地を見学したあとには、資金計画を立ててもらうことが一般的です。そのとき毎月の返済額だけを見て「これなら家賃と同じくらいだから支払える!」と思った経験がある人も多いのでは。
たしかにその金額は大丈夫かもしれないのですが、住宅購入時には物件価格以外にも必要なお金がいろいろあります。どんなお金がどれくらい必要なのかを、しっかり確認しておきましょう!
マイホームを購入するときには、物件価格に加えて、税金や保険料などの諸費用が必要です。この諸費用は大きく分けて購入までにかかるお金と、入居後にかかるお金があります。まずは購入前に必要な費用についてご紹介しましょう。
1.売買契約のとき
売買契約時には印紙税がかかります。中古物件の場合は、仲介手数料も必要です。
2.ローンを借りるとき
必要になるのは、印紙税、融資手数料のほかローン保証料や保険料、事務手数料など。金額は利用するローンによって異なり、フラット35などのように保証料が不要なものも。複数のローンを利用すると、それぞれに諸費用がかかり金額が増えるので要注意です。
3.登記をするとき
土地や建物を所有すると、登記簿に記載されることになりますが、登記の際には登録免許税がかかります。さらに住宅ローン借り入れの際には購入した住宅を担保にするため、抵当権設定を行い、その分の登録免許税も必要です(一部の物件は不要または軽減措置あり)。不動産登記は司法書士が代行するため、司法書士の報酬も諸費用として必要となります。
このほか新築マンションを購入した場合には、修繕積立基金(一時金)が必要。また、上記以外に新居への引っ越し代、家具やカーテンの購入費用なども考えておきましょう。
諸費用の額としては、新築で物件価格の3〜5%、中古は5〜10%程度が目安とされています。たとえば、3000万円の新築マンションを買ったら、手付金を除いた諸費用だけで150万円くらいかかるわけです。
入居した年に納めることになるのが不動産取得税(軽減措置あり)。一方、入居後に毎年かかってくるのが固定資産税(軽減措置あり)と都市計画税。
このほかマンションなら、管理費や修繕積立金等が毎月必要になります。一戸建ての場合も外壁や設備などメンテナンスが必要なので、自分たちで住まいの維持費を少しずつ準備しておいたほうがいいですね。
貯金をすべて使い果たしてしまうと、今後の生活に不安があるので、諸費用分も考えながら、ゆとりのある資金計画を立ててくださいね。
武田 由紀江 【住宅ライター】
記事テーマ
子どもの誕生や就学を機に、マイホーム取得を考える方が多いようです。「自分たちにはどんな住まいがいいのか」「子どもと仲良く暮らせる間取りは」など、事前に考えることはいっぱい。初めてのマイホームを賢く、楽しく取得するために、知っておきたい基礎知識や住まい選びのポイントなどについて連載していきます。