マイホーム選びで重視することのひとつに「どこに住むか」が挙げられます。通勤や通学の便、買い物のしやすさなど、住む場所によって、生活がかなり変わってきます。
現在住んでいる場所、自分たちの実家の近くなど地縁があるところは、購入後のイメージはしやすいのですが、まったくなじみのない地域に住みたいと思うなら、まずは自分たちで「歩いてみる」ことをおすすめします。
知っている駅だとしても、メイン通りを入ったら意外に静かな住宅街になっていたり、公園や児童館、地域のサロンのようなスペースを見つけられることがあります。子育てに便利な施設やお店は、引っ越し前に知っておくと安心ですよね。
先日、仕事で初めて降り立った駅のすぐ近くで昔ながらの「お風呂屋さん」を見つけました。さらにオープンしたばかりのスイーツの店も発見!(私の場合はとくに食べ物を見つけるのが得意です)。自分で歩くと、こういった新しい発見があって楽しいですよ。家族で散歩してもいいと思います。
歩いているときにぜひやってほしいのが地域の掲示板を見ること。ここには、付近で行われるイベントや子育てサロンの開催日など、いろいろなお知らせが貼り出されています。ほかにも地域の防犯状況も分かりますね(ひったくり多発!とか)。
もうひとつは、住人に話を聞くこと。「この近くに引っ越そうと思ってるんですけど~」と切り出して、スーパーはどこにあるか学校や保育園の場所、病院の有無など自分が気になることをどんどん聞いてみましょう。よっぽど急いでいる人以外は、たいがい答えてくれます。
子ども連れの女性と年配の方では、暮らしている年数や視点も違うので、何人かに聞いてみるといいですね。子育て中の方なら小児科とか児童館とかはすぐに教えてもらえます。うまく話がはずんだら、おいしいパン屋さんとか、スイーツのお店まで聞けたりしてラッキーです。
また大きな空き地があった場合、住人に聞けば「新しいスーパーが建つと聞いた」などの情報が分かることがあります(念のため確認は必要ですが)。
知らない人にしゃべりかけるなんて…と思うかもしれませんが、同じ子育て中の方なら比較的話しかけやすいと思います。どうしても苦手な方は、お店の店員さんに買い物のついでに少し尋ねてみてもいいかもしれません。
初めての街を歩く際、できれば平日だけでなく休日、昼間だけでなく夜間など日時を変えて歩いてみると、人通りや防犯面の印象が分かってきます。昼間はとてもにぎやかでも、夜間は薄暗く寂しい…といったところも。家そのものもよりも、あとで変えられない周辺環境はもっと大切ともいえます。
今はネットでも自治体情報は分かりますが、掲載されていないものもたくさんあります。不動産会社に聞くだけでなく、自分たちの足でも生の情報を集めて、安心して子育てできるマイホーム&環境を手に入れましょう。
武田 由紀江 【住宅ライター】
記事テーマ
子どもの誕生や就学を機に、マイホーム取得を考える方が多いようです。「自分たちにはどんな住まいがいいのか」「子どもと仲良く暮らせる間取りは」など、事前に考えることはいっぱい。初めてのマイホームを賢く、楽しく取得するために、知っておきたい基礎知識や住まい選びのポイントなどについて連載していきます。