新年を迎え、年賀状のなかに「転居しました」という文章が入っているはがきはありませんでしたか? 転居のお知らせを出そうと思いつつ、年賀状と一緒になってしまった…ということも多いので、数件見つけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これからマイホームが欲しいと思っている人のなかには、この転居はがきを複雑な思いで受け取る人がいます。たとえば、学生時代からの友人からのはがき。新居らしき建物の前で撮った家族写真が添付されていると、「○○ちゃん、家を建てたんだ!」と敏感に察知。
「一戸建て、しかも●●市って、便利でいいなぁ」、「高かったのかな〜」などなど、思いを巡らせることに。住宅取得のタイミングは人それぞれだと頭では考えていても「先を越された」感は強いのです。
子育てファミリーの場合、子どもの成長に合わせてマイホームを具体的に検討することになりますが、「小学校入学前には決めたい」と考えている方が比較的多いといえます。
マイホームを考えている人にとって2013年1月の今、気になることのひとつに消費税増税が挙げられます。今のところ消費税は、2014年4月1日から8%、2015年10月1日から10%にアップする予定です。
消費増税を前にして、引き渡しまで時間のかかる住宅業界では、すでに家づくりのスケジュールを提示しているところもあります。それは住宅取得にかかるお金のうち、土地代には消費税はかかりませんが、建物部分にはかかるため。もし注文住宅を考えている場合、現状の5%の時期に取得するには2つの方法があります。
ひとつめは、2013年9月末までに工事請負契約を完了すれば、引き渡し時期が増税のスタートする2014年4月を過ぎても現状の5%です。もうひとつ、2014年3月末日までに引き渡しが済んでいても5%となります。
新築マンションの場合、引き渡しが2014年3月末日までに完了していれば、消費税は5%です。
新居にかかる家具や家電などにも増税の影響が出ることから、早く決断したほうが得なのでは?と思うかもしれません。たしかに負担増にはなると思いますが、だからといって焦って妥協して決断してしまうと、後々後悔することにもなりかねません。
友達が家を買った、税金が増える、など周囲の状況もあり、早くマイホームを決めなくっちゃ、という気持ちもあるでしょうが、やはり家族それぞれで、取得する最適なタイミングがあると思います。
年の初めに、ぜひマイホーム計画を家族で話し合ってみてください。
武田 由紀江 【住宅ライター】
記事テーマ
子どもの誕生や就学を機に、マイホーム取得を考える方が多いようです。「自分たちにはどんな住まいがいいのか」「子どもと仲良く暮らせる間取りは」など、事前に考えることはいっぱい。初めてのマイホームを賢く、楽しく取得するために、知っておきたい基礎知識や住まい選びのポイントなどについて連載していきます。