排泄の自立(おしっこが出そうな感覚を自分で感じて、トイレでおしっこができるようになること)は、個人差が大きく、年齢で一律にできるようになるわけではありません。他の子ができたから…と焦る必要はないし、焦ったところでできるものでもないですよね。
ただ、「トイレでの排泄」は放っておけば自然に身に付く習慣ではないということも、頭に入れておいてください。「排泄の習慣」は、食事の習慣などと同様、親が子どもに教えてあげる習慣であり、「しつけ」です。だから、いつかは取り組まなければならないわけですが、「一体みんないつから始めてるの?」って気になりますよね。
「人と比べる必要はない」とはいえ、初めてトイレトレに取り組む場合、「よそのうちではどうなんだろう?」って知りたい気持ちになるのは当然だと思います。
そこで今回は、データを通して、近年のトイレトレーニング事情について考えてみたいと思います。
Q.トイレトレーニングの開始時期は何歳から?
1位 2歳 (37%)
2位 2歳半 (34%)
3位 1歳半 (15%)
4位 3歳 (14%)
Q.開始時期別に見たトレーニング期間は?
○1歳6ヵ月から開始した場合
3ヵ月程度で終了する割合が最も多く50%以上。しかし1ヵ月以内で終わる率が他の開始時期に比べ最も少なく、トレーニング期間が1年と長期化する割合も多い。
○2歳から開始した場合
6ヵ月程度で終了する場合がもっとも多い。この場合の終了年齢もやはり2歳6ヵ月。
○2歳6ヵ月から開始した場合
1ヵ月以内で終了する場合が最も多い。1年以上かかった割合は他の開始時期に比べ最も少ない。
○3歳から開始した場合
2歳6ヵ月開始と同じくスムーズにはすすむものの、なぜか2歳6ヵ月から始めた場合よりも1年以上かかる割合が10%近くと多い。
Q.トイレトレーニングを始めた理由は?
1位 適当な年齢・月齢になったと思ったので(29.25%)
2位 暖かい季節になった(24.41%)
3位 「出た」ことを言えるようになった(15.52%)
4位 トイレに子ども自身が興味を示した(13.39%)
5位 おしっこ間隔が2時間以上あくようになった(7.31%)
(出典:はっぴーママ.com「データで見る開始年齢と卒業時期」)
データを見た場合、トイレトレを始めるのは、、
「2歳半くらい」からで、「おしっこの間隔がある程度開いて」、
「季節は夏」で、「子どもがトイレに興味を持って」、
「おしっこが出たことを伝えられるようになった」頃、
が「ベストタイミングなのね!」と思いましたか?
はいそうです!と言いたいところですが、これはあくまでもたくさんの人からアンケートを取ったデータの集計であり、数字上のものでしかありません。世間一般では、こんな感じで開始して、こんな感じで終了してるのねと、頭の片隅にでも置いておけばいいものです。さらりとだけ見て、忘れてしまってもかまいません。
もちろんデータ通りに始めて、データ通りに終わる人もいます。最初に言いましたが、個人差が大きく年齢で一律にできることではないし、子どもと親の個性によって、方法もそれに付随して開始する年齢も違ってきて当然です。
決してデータや統計に振り回されないでください。こういう類の統計にはだいたいトリックが潜んでいます。
前回お話しした、「トイレトレーニングの完了」のポイントをどこに置くかということでも、「終了」とみなす時期は変わってきますし、開始時期が早ければかかる期間も長くなるのは当然です。逆に、開始時期が遅ければ短い期間で終わると言っても、内容を見てみると、親子ともに気持ち的につらいトレーニングを乗り越えなくてはいけないかもしれません。
それぞれの親子のベストタイミングというのが必ずあるはずです。だから、「決して焦らない。でもタイミングは見逃さない。」
これが成功の秘訣です!
滝田 加奈子 【トイレトレーニングアドバイザー】
記事テーマ
トイレトレーニングのイメージというと、面倒くさい、大変そう…というマイナスイメージをもっていませんか?実はトイレトレーニングには、さまざまな方法が存在します。自分とお子さんに合った方法さえ知っていれば、トイレトレーニングは親子の絆を深めるコミュニケーションツールにもなります。親子で楽しく取り組んで、オムツ外しをハッピーな思い出にしましょう!