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読み聞かせでコミュニケーション力と国語力を伸ばせます/2013年4月

「読んであげる」と「自分で読むなら」
絵本の読み聞かせをされている方は多いと思いますが、絵本の裏側をご覧になることはあまりないかと思います。
 
丁寧に編集された絵本ではこのような表記があります。
 
IMG_1933.JPG
 
「読んであげるなら4才、自分で読むなら小学校初級むき」、と書いてあります。
小学校初級といえば、2年生なら8歳です。
読んであげた時と、自分で読む時と、同じ本でも4年ほどの開きが出てくるというのはちょっと驚きですよね。
 
この差はいったいなんでしょうか?
 
 
本を読む時に行っていること

本を読む時には、思ったより複雑なことを行っています。

文字を追いながら、内容を読み取り、自分の中でイメージを膨らませ、、、「読む」という一言の中で、並行して複数の作業を行っています。大人はそれに慣れてしまっていますので特に大変とは思わないでしょうが、子どもにとってはとても大変です。
 
「本を読みたくない」というお子さんの中には、内容には興味があるけど「読む」という作業が大変で読みたくなくなる場合もあります。
また、与えられている本が自分の読解力を超えているので、読むのが苦痛になっているという場合もあります。
親はどうしても難しいものを読ませたがりますので、自分の理解を超えた内容を、必死で文字を追い、まだ少ない知識と経験に照らしながら読むというのは、もう大人になった私たちが想像するよりもずっと大変なのです。
 
では、なぜ同じ本でも読み聞かせをするならもっと小さい頃から「読める」のでしょうか?
親の知識を借りる

みなさんも小学生の頃、国語の教科書を音読させられませんでしたか?(させられた、というと語弊がありますが。。)

その時、言葉の区切りがわからなかったり、漢字の読み方がわからなかったり、言い回しがわからなかったりして、おかしな読み方になってしまったこと、ありましたよね。特に初めて読む時は。
 
黙読をしていると気付かないのですが、音読をするとどれくらい読めているか、読めていないかが一目瞭然となるため、小学校では音読を行っています。音読ができていない、ということは内容が理解できていない、ということ。文の区切りがわからなかったり、漢字が読めていないという状態では、文の内容は読み取れませんので。
 
初めてのお話に入った時の音読と、国語の時間に内容を習って最後の方の音読とでは読み方が違いますが、何度も読んで慣れただけではなく、授業で内容を理解したことで読めるようになったというのも大きいのです。
 
また、読み聞かせる本のレベルであれば大人はスラスラ読めるはずなのに、初めて買った内容を知らない本を読もうとすると、ひらがなばかりで区切り位置がわからないということがありますよね? そうすると、読んでいても内容がよくわからなくなります。ひらがなで書いてあっても、簡単な内容でも、文字を追いながら内容を読み取るというのは単純な作業ではないのです。
 
そこで先ほどの疑問「なぜ同じ本でも読み聞かせをするならもっと小さい頃から「読める」のか?」に戻りますね。
理由は、「読み聞かせをしてもらう、ということは、文字を追う部分を親に肩代わりしてもらうことになるから」です。語彙についてもそうですし、内容がわからなければすぐ親に聞くことができますので、内容の読み取りも親と一緒に行うことができます。
読み聞かせから広がる読書体験

お子さん自身でムリなく楽しく読める本で「自分で読む」という経験をさせつつ、様々なジャンルのちょっとレベルが上の本を親が読み聞かせしていくことで、お子さんの国語力を自然に伸ばしながら知的好奇心の種をまき、「読書って楽しい!」という体験をさせてあげることができます。

 
国語力を伸ばす読み聞かせのコツなのですが、本を同じ向きで見て、一緒に文字を追えるようにしておきます。そうすることで、目で見た文字と耳で聞く言葉を一致させることができます。
小さいお子さんでしたら、お膝の上に乗せてあげて一緒に読むとスキンシップもできて一石二鳥ですね!
 
あともうひとつ。
本を読んでいる時、途中でお子さんが何か言い出したら「黙って最後まで聞いて!」と言いたくなってしまうと思いますが、そこはぐっとこらえてください。本を読む目的は、最後まで通しで読むことではありません。そこから知識を得たり、想像力を広げたりする方が重要ですよね。
それに、子どもというのは「今」を生きています。読み終えてから質問、なんてできません。後で聞いても「忘れた」と言われるのがオチです。それではもったいない。
 
ですから、お子さんが途中で何か聞いてきたらぜひ会話をはずませてあげてください。疲れるくらいなに?なぜ?が出てくるかもしれませんが、それがお子さんの興味です。興味があることであれば、多少難しいことでも吸収する準備ができていますから、ここぞとばかりにたくさん教えちゃいましょう!
 
その後また本に戻る時、そこまでの内容をちょっと質問してみてください。
「さっき読んだところってどこだっけ?なんて書いてあった?」と聞いて、わかっていれば続きを読む、わかっていなければもう一度最初から読みましょう。お子さんは同じものを繰り返し聞いても喜んでくれます。
まだお話できないお子さんなら言葉のシャワーもいいのですが、コミュニケーションを取りながら、お子さんのペースに合わせて読んであげられるのは、親が読み聞かせをしているからこそ、ですよね!
まとめ ~読み聞かせで文字通り世界が広がります~

読書が好きな子は「読むことが楽しい」という体験をしています。

読みながら、コミュニケーションを取りながら、楽しい読書体験をたくさんしてくださいね。

Mama's profile/プロフィール

よしだ るりこ

よしだ るりこ 【総合話し相手サービスさくらマルシェ代表】

記事テーマ

「声掛けひとつでこんなに変わる!もっと笑顔になるオーダーメイド子育て術」

「何回言ったらわかるの?!」「早くしなさい!」イライラしてつい小言を言っては後悔していませんか?子育てに正解はありません。でも、より子育てが楽しくなり、お子さんのやる気を引き出すコツはあります。お子さんのタイプの見極め方やほめ方、言葉がけの仕方などの子育てのコツを毎回ひとつずつご紹介していきます。ひとつでもしっかり効果は出てきますよ!

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